研究課題/領域番号 |
17591288
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
大倉 一枝 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60094827)
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研究分担者 |
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
関 興一 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (60094835)
西嶋 剣一 北海道医療大学, 薬学部, 助手 (60364254)
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キーワード | 核酸 / 放射線 / 核医学診断 / ポジトロンCT / 腫瘍 |
研究概要 |
現在、糖代謝を評価する[^<18>F]FDGが腫瘍診断用ポジトロン-CT(PET)薬剤として広く用いられているが、必ずしも腫瘍細胞の悪性度・増殖能を反映するものではないため、細胞増殖能を評価できる腫瘍診断PET用薬剤の開発が強く望まれている。最近、我々は[^<11>C]Phosgeneの簡便且つ高効率合成法の開発に成功した。この[^<11>C]Phosgeneを可能な限り最終工程の近くで試薬として利用できれば、2-[^<11>C]Thymidineの簡便な合成法の開発につながるものと考えた。そのためにはphosgeneの基質、すなわちThymidine前駆体となりうるβ-Amino methacrylamideの合成が必須である。我々は、Ethyl α-formyl propionateとアンモニアとの反応によりシッフ塩基を経由し、アミノ体β-Amino methacrylateを収率よく得た。これを直接アミド体に導くことが困難であったため、N-ベンゾイル化の後、アンモニアと反応させ、β-Amino-N-benzoyl methacrylamide (BMAA)に導くことができた。Phosgeneと反応挙動が類似しているTriphosgeneを使用して、BMAAとの環化反応を検討した。その結果BMAAをNa塩等のアルカリ金属塩として活性化することにより、Triphosgeneとの反応が短時間に円滑に進行し、N-Benzoylthymineを経てThymineを合成することができた。この知見に基づき、新規前駆体BMAAと[^<11>C]Phosgeneとの反応による2-[^<11>C]Thymine合成を実施し、さらに簡便、高効率化を目指して種々の条件を検討する予定である。
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