研究課題/領域番号 |
17591288
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
大倉 一枝 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60094827)
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研究分担者 |
玉木 長良 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (30171888)
関 興一 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (60094835)
西嶋 剣一 北海道医療大学, 薬学部, 助教 (60364254)
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キーワード | 核酸 / 放射線 / 核医学診断 / ポジトロンCT / 腫瘍 |
研究概要 |
細胞増殖能評価薬剤[2-^<11>C]チミジンは、中間体[2-^<11>C]チミン合成経路の複雑さと合成時間の長さが、臨床応用に対するひとつの障壁となっていた。従来法では[^<11>C]ホスゲンから[^<11>C]ウレアへ導き環化反応に付しているが、我々は新規[2-^<11>C]チミジンの合成法開発を目的として、[^<11>C]ホスゲンと直接環化反応しうる前駆体を合成し、標識化条件を検討することとした。サイクロトロン照射条件は10μA,10分間とし、得られた[^<11>C]ホスゲンを新規に合成したβ-アミノメタクリルアミド誘導体と反応させた。その結果、β-アミノメタクリルアミド誘導体は、[^<11>C]ホスゲンと環化反応により2-[^<11>C]チミンを生成し、その収量は362土53MBq(n=3,EOS)であった。合成時間は、照射終了後わずか16分間であった。このようにして、新規前駆体βーアミノメタクリルアミド誘導体と[^<11>C]ホスゲンとの緩和な反応により、簡便かつ迅速な2-[^<11>C]チミン合成を達成し、[2-^<11>C]チミジンの臨床への安定供給を可能にした。 さらに、抗がん剤5FUの[^<11>C]標識体合成への応用を実施した。種々検討した結果、対応する新規前駆体β-アミノアクリルアミド誘導体の合成に成功し、[^<11>C]ホスゲンとの反応も迅速に進行し、[2-^<11>C]5FUを得ることができた。ポジトロンCT用[^<11>C]標識ピリミジンの迅速簡便な合成の有用性が期待される。
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