研究課題/領域番号 |
17591290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 真理 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80205864)
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研究分担者 |
及川 博文 岩手医科大学, 医学部, 助手 (10337157)
高橋 智 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (50216719)
高橋 純子 岩手医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00423989)
鈴木 満 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (10196876)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | MRI / 神経メラニン / 黒質 / 青斑核 / ノルアドレナリン / ドパミン / うつ病 / 統合失調症 |
研究概要 |
我々は独自に開発した3 Tesla MRI神経メラニン画像を用い、従来可視化できなかった黒質緻密部のドパミン神経細胞、青斑核のノルアドレナリン神経細胞を直接描出し、Parkinson病、うっ病、統合失調症における黒質・青斑核の画像変化を定量的に解析した。 高解像度T1強調FSE法を用いた神経メラニン画像では、黒質緻密部・青斑核の神経メラニン沈着部位に一致した明瞭な高信号を認め、これらの神経細胞の可視化に有効であることが確認できた。 Parkinson病患者17名と健常対照群22名における黒質・青斑核の神経メラニン画像所見を検討した。Parkinson病では黒質緻密部・青斑核のコントラスト比が対照群に比し有意に低下しており、本症における神経細胞脱落を示唆する所見と考えられた。 次いで、うつ病患者20名と健常対照群43名における青斑核亜核の神経メラニン画像所見を検討した。うつ病では青斑核吻側2/3領域のコントラスト比が対照群に比し有意に低下していたが、尾側部には明らかな変化を認めなかった。本所見は本症における上行性ノルアドレナリン系の機能異常を反映していると考えられ、従来のモノアミン仮説を裏付けるものと考えられた。 また、統合失調症患者20名とうつ病対照群20名、健常対照群40名における黒質・青斑核の神経メラニン画像所見を検討した。統合失調症では黒質のコントラスト比が他群に比し有意に上昇しており、本症におけるドパミン過剰状態を反映していると考えられ、従来のドパミン仮説を裏付けるものと考えられた。一方で、うつ病では青斑核のコントラスト比が他群に比し有意に低下していた。黒質と青斑核の所見を総合することで、3群の識別がある程度可能と考えられた。 MRI神経メラニン画像はドパミン・ノルアドレナリン系の機能形態画像法として使用可能であり、変性疾患や精神疾患の病態解析に有望と考えられた。
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