研究課題
基盤研究(C)
強度変調放射線療法(IMRT)により肉眼的腫瘍体積(GTV)と臨床標的体積(CTV)の1回線量を変える標的体積内同時ブースト(SIB)法を行った悪性神経膠腫13例の治療成績を解析した。線量分割は、GTVには1回2.5Gy、周囲CTVには1回2.0GyのSIB法で合計70Gyの照射を5.6週で照射した。2年生存率は31%と比較的良好な生存率が得られたが、最終的には全例が脳内再発し、この線量分割(70Gy/28回)では、悪性神経膠腫の局所制御は不十分で、さらなる1回線量の増加が必要と考えられた。当科でIMRTを行った咽頭腫瘍74例の治療成績を検討した。化学放射線療法の行なえた上咽頭腫瘍27例の5年生存率は75%と良好であった。中咽頭腫瘍および下咽頭腫瘍の3年生存率は、それぞれ87%と48%であった。照射1年後には中等度以上(G2)の唾液腺障害は1/4の症例に見られるのみであった。早期中咽頭腫瘍を対毎にSIB法の治療計画法を確立し、GTVには1回2.2Gy、CTVには1回1.8Gyで合計66Gy/30回の照射を3例に実施した。FDG-PET-CTによる放射線治療計画法を確立させた。PET画像では画像処理条件によってFDGの集積範囲が変化しするため適切な画像処理条件を求める必要がある。静体ファントム実験では直径22mm〜37mmのファントムにおいてSUV-max(FDG活性の最大値)の35%が適正閾値であった。動体ファシトム実験では、SUV-p maxはファントムの移動距離に依存し低下した。移動距離が0-2cmの場合は、SUV-maxの35%を閾値とすることによりPET描出像とファントムの軸断面直径がほぼ同じになった。矢状面では、描出長径はファントムの実直径より大きく描出されターゲットの動きを含めるITV(内的標的体積)を反映した。
すべて 2007 2006 2005 その他
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (12件) 図書 (2件)
Radioth Oncol 51
ページ: 283-290
Jpn J Clin Oncol 35
ページ: 375-379
Austral-Asian J Cancer 4
ページ: 151-154
Intensity Modulated Radiation Therapy ; A clinical perspective, Eds. Mundt AJ, Roeske JC, BC Decker
Int J Clin Oncol (in press)
Int J Radiat Oncol Biol Phys (in press)