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2006 年度 実績報告書

単色放射光を用いた腫瘍微小血管三次元画像の医学利用に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591303
研究機関川崎医科大学

研究代表者

今井 茂樹  川崎医科大学, 医学部, 助教授 (00168494)

研究分担者 玉田 勉  川崎医科大学, 医学部, 講師 (40278932)
山下 武則  川崎医科大学, 医学部, 講師 (30299200)
釋舎 竜司  川崎医科大学, 医学部, 臨床助手 (80309559)
梅谷 啓二  高輝度光科学研究センター, 実験部門, 主幹研究員 (50344396)
キーワード放射光 / 超高分解能CT / SPring-8 / 腫瘍血管 / 3次元画像
研究概要

1.川崎医科大学においてウサギ(JW系)♀の耳介皮下にVX-2腫瘍(5.0×10^4個)を移植し、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、7日後に硫酸バリウム、ゼラチン懸濁液を耳介動脈から注入、ホルマリン固定を行い血管鋳型標本を作成した。ウサギ大腿の筋肉(血管や筋肉、支持組織、血球成分を含む)から作成した細胞浮遊液を同様に耳介皮下に注入し作成した血管鋳型をコントロール群とした。これらの血管鋳型標本を乳房撮像用X線撮像装置(軟X線撮像装置)、マイクロCT(25μm/pixel)、大型放射光施設SPring-8の超高分解能CT撮像装置(5.87μm/pixel、4000×2624)を用いて撮像した。短軸断面を再構成し、3次元画像を作成し現在、解析・評価を行っている。
2.VX-2腫瘍移植後12〜24時間では静脈を中心とした既存の血管径の拡大が認められた。3〜4日ではさらなる既存の血管拡張と、いわゆる新生血管と思われる血管増生が生じ、4〜7日後には腫瘍の中心に無血管領域が出現、拡大した。超高分解能CT撮像装置ではその線質、解像度の高さから、従来の方法と比較してより微少な約15〜20μmの血管が明瞭に描出された。3次元画像を作成することで血管の交差、吻合の区別が容易になり、血管新生の課程を観察することが容易となった。腫瘍深部に達する新生血管は腫瘍細胞移植直後からその後も一貫して少なく、既存の血管の拡張や新生血管は腫瘍表層から腫瘍を栄養しているように見えた。今後、これらを定量化し評価するために可能な範囲で動静脈の分離を行い、視覚化する予定である。コントロール群では明らかな血管拡張や、血管新生は認めなかった。つまり、これらの変化は腫瘍細胞から放出される何らかの因子、あるいはこれらを取り巻く虚血等の環境から起因するものであることが強く推測された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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