研究課題/領域番号 |
17591304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
石橋 正敏 久留米大学, 医学部, 教授 (20168256)
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研究分担者 |
甲斐田 勇人 久留米大学, 医学部, 助教 (40299425)
山名 秀明 久留米大学, 医学部, 教授 (30140669)
藤井 輝彦 久留米大学, 医学部, 准教授 (50199288)
早渕 尚文 久留米大学, 医学部, 教授 (20108731)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 乳癌 / 細胞増殖 / ERK MAPK / 乳癌患者の予後予測 |
研究概要 |
1.^<18>F-FDG PETにおける腫瘍集積性と乳癌細胞増殖動態の比較 対象は初発乳癌患者である。対象患者数は約118名で、対象患者の範疇に入るのは手術、化学療法、放射線治療等の治療適応のある患者であった。また、対象患者の範疇に入るが糖尿病に罹患していた場合は血糖値200mg/dl以下にコントロールされている患者とした。対象患者全てに^<18>F-FDGPETを施行した。放射線医薬品は^<18>F-FDGを用いた。投与量は0.12mCi/kgで行い、PETの機種はAllegro(Philps/ADAC)であり,GSO-PETである。FDG投与後1時間安静とし、撮像を開始した。撮像方法は、全身を撮像し、我々で開発したPETマンモ用治具を用いて、腹臥位(supine position:SP)と仰臥位(prone position:PP)にて撮像した。全身像とPPと比較し、前者よりPPで8.8%乳癌を指摘できた。結論として、乳癌のFDG-PETには、PPの追加が必要であった。またPETで再発または転移が疑われた症例では、PET以外にCTやMRI等の他の検査でも再発や転移の評価を行い、病変の存在が確定した後に再発や転移症例に関してbiopsyが可能であればできるだけ施行した。また、初発乳癌全例で手術を施行した場合、得られた摘出標本の癌組織におけるERK MAPKのリン酸化を免疫染色で検討した。すなわち、リン酸化したERK MAPKを特異的に認識する抗体を用い免疫染色をおこなった。細胞質が染色された癌細胞をERK MAPK陽性細胞とし、癌細胞の40%以上陽性を示した症例をERK MAPK陽性とした。免疫染色により得られた乳癌細胞におけるERK MAPKのリン酸化、すなわち、乳癌の細胞増殖動態と^<18>F-FDG PETの解析データとの比較検討を開始した。118例中の73例に解析を行ったその結果、MAPK(+)群 SUVmax 4.02±2.76 vs.MAPK(-)SUVmax 3.87±2.70(P=0.25)には有意差を認めなかった。ER,PgR,Her2のいずれとも有意差はなかった。乳癌に関するFDGの取り込みと細胞増殖との関係は、免疫染色の抗体の再検討を行う必要があると結論づけられた。
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