研究分担者 |
藤本 公則 久留米大学, 大学病院, 講師 (00199366)
鈴木 弦 久留米大学, 大学病院, 助手 (80279182)
内田 政史 久留米大学, 医学部, 助教授 (50168704)
安陪 等思 久留米大学, 大学病院, 助教授 (90167940)
早渕 尚文 久留米大学, 医学部, 教授 (20108731)
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研究概要 |
早期乳癌の標準治療として乳房温存術後の放射線治療は必須となっており、その数は年々増加傾向にある。乳房温存療法とは長期生存を充分念頭にいれて治療しなければならないが、照射によって起こる障害は充分考慮されるべきものである。今回、照射野内に起こる障害ではなく,照射野外に発症してくる特殊な肺障害について研究した。当院では年間70人ほどの乳房温存術後放射線治療をするため、乳房温存療法後の照射野外肺病変の症例数としては充分な症例数を確保し、前向き研究として、当施設での急性期の反応をみる上で1年間で、照射後の肺を胸部単純X線および単純CTを用いて観察した。同時に後向き研究として当施設での照射野外肺病変の画像上の特徴およびリスク因子を検討した。また、以前に全国にアンケート調査をおこなった協力機関に、照射野外肺病変(特殊な肺臓炎)についての症例を確認し、追跡予後調査を行った。 久留米大学における照射野外肺病変の症例を抽出した。画像については,前述と同様に胸部単純X線および単純CTを用い,照射野外肺病変の出現前,出現時,消失開始時,消失時に分類し,その特徴について検討し、ステロイド使用症例において減量時に起こりやすく、出現頻度は照射後6か月以内に多いことが分かった。 全国の157施設に対してはアンケート調査を行った。そのうち27施設で有所見症例があった。その出現率は2%であった。その内、照射野内の変化と連続するものが62%、軽度の照射野内と遠隔部が34%であった。乳房温存術後の接線照射は安全な方法であるが、照射野外に特殊な肺炎用所見を呈することがあり、出現頻度の多い6か月以内は注意して観察すべきであるとの結論を得た。
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