研究課題/領域番号 |
17591305
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
淡河 恵津世 久留米大学, 大学病院, 講師 (20204729)
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研究分担者 |
藤本 公則 久留米大学, 大学病院, 講師 (00199366)
鈴木 弦 久留米大学, 医学部, 助手 (80279182)
内田 政史 久留米大学, 医学部, 助教授 (50168704)
安陪 等思 久留米大学, 大学病院, 助教授 (90167940)
早渕 尚文 久留米大学, 医学部, 教授 (20108731)
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キーワード | 乳房温存療法 / 照射野外肺障害 / 放射線性肺炎 / BOOP様肺炎 |
研究概要 |
当院においては、1992年より乳房温存術後に放射線照射を行い約400例となった。1999-2000年の間に行った全国主要施設にアンケート調査を基に、放射線照射後におこる照射野外肺病変について調査検討を行ったところ、現時点においては、乳房温存術後放射線治療後の照射野外肺病変の出現率は平均1.5-2.1%(5%以下)という結果であり、生命予後には関係ないということはわかってきた。これらの集積したデータに当院で経験した症例を加え、基本ベースのデータと画像を解析し、照射野外肺病変をパターン分類した。胸部CTにおいては4 typeに分けられ、一部に混合型が見られた。また、経時的変化としては、胸部単純写真においては3 typeに分けられた。 患者の基本データからは、この肺障害を誘発すると思われる因子は認められず、薬剤との因果関係や、アレルギーとの関係は、明瞭にはならなかった。しかしながら、照射後3〜6ヶ月に起こる頻度が多く、時に12ヶ月後に起こった症例もあった。いずれも発症後1〜2ヶ月後には画像上消失傾向がみられた。画像上は、BOOP様肺炎(BOOP症候群)としてあつかい、放射線治療が何らかの誘発因子になったと考えられた。 これらのデータをまとめ、報告の一つとして論文にまとめるにあたり、アメリカのテキサス州MD Anderson Cancer CenterのProf.Komakiと相談し、これらの肺障害は免疫的要素が関与していると推測されるため、今後は血清生化学的に、実際に放射線治療の照射野を越えて肺障害がみられた症例の免疫学的検査を試みる予定となった。
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