研究課題/領域番号 |
17591305
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
淡河 恵津世 久留米大学, 大学病院, 講師 (20204729)
|
研究分担者 |
鈴木 弦 久留米大学, 大学病院, 助教 (80279182)
早渕 尚文 久留米大学, 医学部, 教授 (20108731)
|
キーワード | 乳房温存療法 / 照射野外肺障害 / 放射線肺炎 / BOOP様肺炎 |
研究概要 |
当院においては、1992年より乳房温存術後に放射線治療を行い、2008年末までで約600例となった。1999-2000年に行った全国主要施設のアンケート調査を基に、放射線照射後に起こる照射野外肺病変について調査研究を行ったところ、照射野外肺病変の出現率は約2%という結果となり、生命予後には関係ないことが解った。発症時期は、放射線治療後6か月以内が多く、好発年齢は50-60歳(近年45歳も確認)、原因は不明であるが、(1)アレルギー反応、(2)免疫学的機序が関係(放射線照射がリンパ球の活性化やII型肺胞上皮細胞や血管内皮細胞からTGFβなどのサイトカインを放出させる等)、(3)放射線治療時の薬剤併用(ホルモン剤等)といわれている。特徴は、(1)自覚症状(発熱・咳・全身倦怠感・胸部違和感)がある場合とない場合がある、(2)画像と症状の解離がある、(3)画像は経時的に変化する。また、画像における特徴は、発症時の胸部CTにおいては4typeに分けられ、照射野に変化があり連続する肺野病変がみられるA typeが約60%と多かった。経時的変化としては、胸部単純X線写真にて3 typeに分類され、出現より漸減していく1typeが70%と多かった。治療方法については、まだ議論があるところであるが、本研究においては、呼吸器症状に乏しい症例もみられ、対症療法のみで改善し、再燃していないことも解り、症状が乏しい場合では、まず対症療法で経過を診るべきではないかという結論となった。症状がある場合においても、第一選択がステロイドではなく、対症療法を主治療とし、ステロイドの使用については充分留意した方が望ましいと思われた。今回、最終的な報告をESTRO27にて発表した。
|