研究課題/領域番号 |
17591319
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
堀口 淳 群馬大学, 医学部, 講師 (70272242)
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研究分担者 |
鯉淵 幸生 群馬大学, 医学部, 助手 (10323346)
飯野 佑一 群馬大学, 医学部, 教授 (50124649)
森下 靖雄 群馬大学, 大学院医学系研究所, 教授 (40145470)
岩崎 俊晴 群馬大学, 大学院・医学系研究所, 講師 (80375576)
鯉淵 典之 群馬大学, 大学院・医学系研究所, 教授 (80234681)
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キーワード | 乳癌 / SXR / ER / corepressor / SMRT |
研究概要 |
エストロゲン(E2)受容体(ER)は乳腺組織の正常な分化発達、及び乳癌の発育、浸潤に寄与する。乳癌組織にはER、プロゲステロン受容体(PgR)の他にステロイドアンドゼノバイオティック受容体(SXR)が存在する。SXRは多様な薬剤と結合しチトクロームP450酵素の誘導を介してその薬剤自体の分解を促進する。我々は近年タモキシフェン(TAM)によりCYP3A4遺伝子の転写が促進され、そのことがTAM耐性を誘導する可能性を見出した。今回、我々はレポーターアッセイを行い、SXRにER-EREの転写を用量依存性に活性化する作用があることを明らかにした。また、乳癌細胞MCF-7細胞にSXRを遺伝子導入し、E2添加後、RNAを抽出し、RT-PCRを用いて定量したところ、SXR用量依存性にE2反応性のPgR mRNAの発現が増加した。さらにこの機序を解析した。まず、ER-SXR、SXR-DNA(estrogen response element)の結合についてGel Shift Assay、Mammalian two-hybrid assay(MTA)を用いて検討したが、いずれも結合は認められなかった。ER-steroid receptor coactivator(SRC)-1の結合に変化はなかった。そこで、SXRにリガンド依存性にコリプレッサーであるSMRTが結合することに注目し、GST pull down法、MTAを行ったところ、SXRは用量依存性にER-SMRTの結合を減弱させた。以上から、SXRとSMRTが結合しERからSMRTが解離することによりERの転写が活性化することが示唆された。TAMによるCYP3A4転写の活性化作用と合わせ、本研究から乳癌細胞にSXRが発現していると、腫瘍の悪性度が増す可能性が実証された。この研究は新たなバイオマーカー、薬剤効果推定因子、予後決定因子としてのSXRの役割を示す基礎的研究に位置づけられる。今後、臨床応用されることを期待するとともに、実用化に向け、臨床研究対象を広げ、さらに解析していく方針である。
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