研究課題/領域番号 |
17591321
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
重松 邦広 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20215966)
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研究分担者 |
宮田 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (70190791)
岡本 宏之 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60348266)
石井 誠之 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80365197)
重松 宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40134556)
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キーワード | 吻合部内膜肥厚 / 小口径人口血管 / シグナル伝達 |
研究概要 |
本研究は、家兎頚動脈の内膜肥厚モデルにePTFE人工血管を移植することにより形成される人口血管内の肥厚内膜内の血管平滑筋細胞内において経時的にに如何なるsignal pathwayが刺激され、血管平滑筋細胞がどのように内膜内で増殖するかを解明することにより、吻合部内膜肥厚の抑制を目指すことを目的としている。 今回特に、一定の安定した内膜肥厚モデルに人工血管置換を行うことが本実験の第一歩となる。実験計画にのっとり、白色家兎の頚動脈の頚動脈バルーン擦過モデルを行い28日目に総頚動脈を人工血管に置換したところ、当初は一定の厚さの内膜肥厚が形成されなかったため、人工血管置換を行っても本実験の目的に合わないモデルとなるため、初期の実験では人工血管置換まで至らなかった。一定の均一な内膜肥厚を長いsegmentに渡って形成するためには相応期間の手技訓練期間を要した。28日目のI/M ratioが0.54±0.067と一定に担った段階で、検討モデルである人工血管置換モデル作成にかかった。しかしながら人工血管置換する際の総頚動脈の中枢末梢遮断により肥厚内膜に解離がおきることにより遠隔期の開存のみならず術直後のグラフト開存が多くの症例で得られなかった。また内膜肥厚が厚すぎるために血流自体が低下し、自家血管に比して抗血栓性の劣る人工血管では開存を得られることが困難である可能性も示唆された。このため現在、さらに内膜がしっかり固定されるより長期の6週目に置換するモデルと内膜肥厚の軽度である1,2週目に置換するモデルの作成を予定しはじめたところであり、予定していた解析に至っていない。今後いずれかの長期開存が得られるモデルを早々に確定し、本年度積み残した研究予定を再度施行していく予定である。
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