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2006 年度 実績報告書

Versatileナノトランスポーターを用いた新規乳癌治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17591346
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

神野 浩光  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20216261)

研究分担者 菅家 大介  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00365272)
キーワード乳癌 / MPCポリマー / paclitaxel / ターゲッティング療法
研究概要

<背景および目的>炎症や腫瘍など多くの疾患は特定の細胞が増殖することによって惹起される疾患である。この特定細胞の増殖はそれぞれの細胞に発現している特異的な増殖因子・受容体系が機能することによりもたらされている。そこで、これらの増殖因子・受容体系を分子標的とすれば、疾患の原因となる細胞群のみを、特異的に死滅きせることが出来、優れた治療薬へ発展する可能性が高い。一方、疎水性物質を内包できる水溶性高分子物質であるMPC polymerは難水溶性抗癌剤であるPaclitaxel(PTX)のトランスポーターとして有用であることは既に報告してきた。今回、予後不良である上皮増殖因子受容体(EGFR)過剰発現癌に対するターゲッティング療法として、上皮増殖因子(EGF)を結合させたMPC polymerを作製し、その有用性を検討した。<方法>EGFR過剰発現細胞株である乳癌細胞株BT-20、扁平上皮癌細胞株A431、およびEGFR低発現細胞株である肺小細胞癌株H69を使用し、PTX濃度を0.01、0.1、1.0、10、100nM、薬物接触時間を72時間に設定した。殺細胞効果はMTT assayを用いて評価した。<結果>BT-20、A431におけるEGF結合PTX封入MPC polymerのIC_<50>はそれぞれ1.1nM、0.91nM、非結合MPC polymerではそれぞれ8.1nM、2.4nMであり、EGFR過剰発現細胞株におけるEGF結合MPC polymerの殺細胞効果は有意に高かった(p<0.05)。一方、H69においてはEGF結合による殺細胞効果の増強は認めなかった。また、MPC polymer単独での殺細胞効果は認めなかった。<結語>EGF結合PTX封入MPCポリマーは、EGFR過剰発現乳癌に対する新しい治療となる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Thermo-responsive magnetic nanoparticle directed against epidermal growth factor receptor.2007

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Y et al.
    • 雑誌名

      Proc Am Assoc Cancer Res 46

      ページ: 3049

  • [雑誌論文] 熱応答性磁性ナノ粒子を用いた癌特異的診断の基礎的検討2007

    • 著者名/発表者名
      高橋洋子ら
    • 雑誌名

      日本外科学会雑誌 108(2)

      ページ: 364

  • [雑誌論文] Safety profile of paclitaxel in phospholipid nanoparticle2006

    • 著者名/発表者名
      Jinno H et al.
    • 雑誌名

      Proc Am Assoc Cancer Res 94 suppl 1

      ページ: S41

  • [雑誌論文] 上皮増殖因子受容体過剰発現癌に対するEGF統合MPCポリマーによるターベッティング療法の開発2006

    • 著者名/発表者名
      嶋田俊之ら
    • 雑誌名

      日本乳癌学会14回総会記事

      ページ: 369

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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