研究課題/領域番号 |
17591365
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
袴田 健一 弘前大学, 医学部, 助教授 (30271802)
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研究分担者 |
豊木 嘉一 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (70301025)
梅原 豊 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (80322931)
佐々木 睦男 弘前大学, 医学部, 教授 (10005077)
池永 照史郎一期 弘前大学, 医学部附属病院, 医員
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キーワード | マイクロアレイ / 肝再生 / 肝不全 / 有機アニオン / 輸送膜蛋白 / ビリルビン / 高ビリルビン血症 |
研究概要 |
【背景と目的】黄疸を特徴とする肝再生時肝不全の病態を明らかにするため、ラット大量肝切除後肝再生時の全遺伝子発現の推移について、マイクロアレイを用いた網羅的解析を行った。 【方法】ラット90%肝切除後0、24、72、168時間の各点で肝組織を採取、total RNAを抽出し、The GeneChip Rat Genome 230 2.0(Affiymetrix)約34,000個の遺伝子とハイブリダイゼーションし、rat whole genome analysisを行った(n=3)。解析はGeneChip Operating Software ver.1.2を用いた。一部特定遺伝子についてはRT-PCRによる確認を行った。 【結果】0時をコントロールとして3倍以上の発現レベル差を認めた遺伝子数は、24時間1341個、72時間709個、168時間460個、いずれかの時間1763個であった。これをクラスター解析し、20の発現パターンが観察された。また、有意な発現を示した既知遺伝子をキーワードによりカテゴリー分類し、遺伝子の機能毎に発現推移のパターンを特定した。このうちABCC、BCRP、BSEP、cMOTA(MRP2)、GSH transporter、MDR1(P-GP)、MDR3、MDR3、MRP3、NTCP、OATPをキーワードとする遺伝子を検索し、有機アニオン輸送関連遺伝子の検索を行ったところ、3倍以上の有意な発現変動は見られなかった。さらにRT-PCRで個々の遺伝子発現の推移を確認した。 【結論】ラット大量肝切除後肝再生時の全遺伝子に関する発現推移の解析を終了した。肝再生時肝不全に特徴的に見られる高ビリルビン血症の発症機序には、肝再生は直接的には関与していないことが明らかとなった。予定通り、サイトカイン負荷モデルを作成し、肝不全を誘発する第二のtriggerの存在について検討を継続する予定である。
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