研究課題/領域番号 |
17591369
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
林 秀樹 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 教授 (20312960)
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研究分担者 |
島田 英昭 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20292691)
落合 武徳 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80114255)
荒野 泰 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (90151167)
上原 知也 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (10323403)
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キーワード | 癌 / センチネルリンパ節 / 半導体型ガンマカメラ / 網内系細胞親和性トレーサ |
研究概要 |
今回新たに創製したRIトレーサーHYNIC-NMAの生体内動態解析を、生後約3ヶ月、体重20〜30kgの家畜ブタを用いて行った。全身麻酔の上開腹、胃中部及び直腸中部に定点を設け、消化管内視鏡を用いてHYNIC-NMAを投与、経時的に半導体型ミニガンマカメラ(MGC)を用いて、投与部位及び領域リンパ節の放射線分布を測定した。また、投与6時間後に投与臓器及び領域リンパ節を摘出、オートウエルを用いた放射線量測定を行ない、MGCによる計測結果との比較を行なった。 この結果、投与後6時間で摘出した領域リンパ節における放射線測定値は、オートウエルによる計測値とMGCによる計測値の間に高い相関(r=0.97)を認め、MGCにより、リンパ節を摘出することなく、定量的にRIトレーサーの動態解析が可能であることが明らかとなった。また、投与後約30分からMGCにより領域リンパ節への放射線集積が観察され、1〜6時間後の間では2〜3個の領域リンパ節にほぼ一定した集積を検知した。一般のセンチネルリンパ節生検に頻用されるテクネシウムスズコロイドを投与した場合と比較すると、1時間後における投与部位からの消失率は約4倍、領域リンパ節における集積率は約2倍であり、いわゆるshine through現象を回避するのに有効であることが明らかとなった。 しかしながら同実験において、放射線集積リンパ節と非集積リンパ節が近接していた場合、MGCより得られる放射線分布画像と実際に観察しているリンパ節との位置的対応関係を即座に明らかにすることが難しいことが判明した。放射線集積リンパ節の迅速な位置同定のため、MGC周囲に光学カメラと被写体間距離を測定するためのレーザポインタを配置し、放射線分布画像と計測する生体の実画像をとリアルタイムに合成し、正確な放射線集積点を迅速に同定可能な新たな計測装置を開発した。
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