研究課題/領域番号 |
17591369
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
林 秀樹 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 教授 (20312960)
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研究分担者 |
島田 英昭 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20292691)
落合 武徳 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (80114255)
荒野 泰 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (90151167)
上原 知也 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助手 (10323403)
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キーワード | 癌 / センチネルリンパ節 / 半導体型ガンマカメラ / 網内系細胞親和性トレーサ |
研究概要 |
平成17年度の成果により、HYNIC-NMAをトレーサーとして用い、ミニガンマカメラ(MGC)により放射線分布を計測することにより、従来から行なわれてきたガンマプローブ法と比較し、より高い空間分解能をもってセンチネルリンパ節(SN)同定が可能であることが明らかとなった。しかしながら、放射線集積リンパ節と非集積リンパ節が近接していた場合、MGCより得られる放射線分布画像と実際に観察しているリンパ節との位置的対応関係を即座に明らかにすることが難しく、実際に放射線集積リンパ節のみの摘出を行なう際には、ガンマプローブを併用し確認する必要があった。これは本研究による新しいSN検出法の利便性を損なうものであった。 そこで使用しているMGC枠に光学カメラを装着、MGCにより放射線分布の計測される領域の実画像を取得、この実画像と放射線分布画像を合成することによりガンマプローブを用いることなく、正確に放射線集積リンパ節の同定が可能となるシステムの開発を試みた。 光学カメラはMGCとは被写体に対する撮影基軸が異なること、MGCは平行コリメータを採用しており被写体との距離にかかわらず常に一定の領域の放射線分布を計測すること、から光学画像と放射線分布画像の間には歪みおよび縮尺のずれを生じる。そこでMGC枠にレーザポインタを配置し、カメラと被写体間の距離計測を可能にし、これらを計算により補正するシステムを作成した。 このシステムの有用性を、ヒトにおいて実際にSNナビゲーションを行った臓器切除標本、ならびにラットを用いたトレーサー実験により検証を行なった。胃切除標本においては、トレーサー投与部位が実画像と放射線分布画像が正確に一致して描画可能であり、ラットを用いた実験ではRI集積臓器が画像上正確に同定可能であった。このことから実際のSNナビゲーションに有用なシステムが構築できたと考えている。
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