研究課題
基盤研究(C)
我々は、tailored dose化学療法として、毒性を指標にして個々で量を決める、individualized maximum repeatable dose(個別化最大継続可能量:iMRD)を開発した。このiMRD法による臨床試験(第2相試験)を、胃癌、膵癌、乳癌、卵巣癌などで施行しており、一部の試験で効果を落とすことなく、毒性を大きく減じることができることが判明している。今回進行胃癌21例においてWeekly PaclitaxelのiMRDを検討すると同時に、スターティングドーズとした60mg/m^2でのAUCを検討し、その相関について検討した。その結果、Weekly PaclitaxelのiMRDは40mg/m^2が4例、50mg/m^2が6例、60mg/m^2が6例、70mg/m^2が4例、80mg/m^2が1例であった(RD(推奨用量)は、80mg/m^2)。AUCは11例で測定されたが、iMRDが40mg/m^2の3例では、4133±382ng/ml^*hr、50or60mg/m^2の5例では3121±298ng/ml^*hr、70mg/m^2の3例では、2057±253ng/ml^*hrとなり、iMRDとAUCは逆相関することが判明した。また、進行胃癌おいてbiweekly CPT-11のiMRDが測定された症例において、iMRDとCPT-11の分解酵素の一つであるUGT1A1のSNPである、UGT1IA1^*28のヘテロの存在の関係を検討した。その結果、CPT-11のiMRDが100mg/m^2以上の5例にはUGT1A1^*28は認めなかったが、50mg/m^2以下の5例中2例にUGT1A1^*28ヘテロの症例を認めた。以上より、我々の開発した血液毒性を指標とするtailored dose法は、AUCや代謝酵素のSNPから見ても妥当性があることが示された。この結果は、現在施行しているtailored dose法の大きな理論的根拠になりうるものと期待される。
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