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2006 年度 実績報告書

胃癌腹膜転移における診断法の開発とアンギオテンシン系を介した線維化機構とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 17591383
研究機関金沢大学

研究代表者

伏田 幸夫  金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (10301194)

研究分担者 原田 真市  金沢大学, 医学系研究科, 助手 (90272955)
キーワード血清IV型コラーゲン / 腹膜転移(腹膜再発) / 腹膜繊維化 / アンギオテンシンI型受容体
研究概要

胃癌におけるアンギオテンシン1型受容体についての検討
In vitroにおいてヒト胃癌細胞株5株中4株にアンギオテンシン1型受容体(AT1)が発現しており、アンギオテンシン1の添加によりその増殖率は亢進した。また、この増殖率亢進はAT1の拮抗剤であるcandesartanにより抑制された。このAT1を介した増殖率元進の機序は、ERKのリン酸化に伴う増殖シグナルおよびNF-kBの活性化に伴うsurvivinの誘導による抗アポトーシス効果であることを証明した。
ヌードマウスに高度腹膜転移株OCUM-2MD3を1x107個腹腔内投与したところ、移植4週目には癌性腹水を伴う腹膜播種が形成されたが、組織学的には腫瘍の線維化はそれほど顕著ではなかった。そこで、AT1を介した臓器の線維化についての検討は断念し、AT1を介した腫瘍増殖能元進についてin vivoで検討した。移植1週間後からcandesartan 10mg/kgを連日経口投与した群はコントロール群と比較し、有意に生存率の延長を認めた。
臨床検体においても胃癌細胞および周囲間質の線維芽細胞にAT1の発現を高率に認め(70%)、また、癌先進部の間質にはアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンIIに変換するトリプターゼを分泌する肥満細胞が多数存在することを証明した。
以上より、胃癌の増殖および線維化にはAT1を介する経路が存在し、その拮抗剤であるcandesartan(プロプレス:降圧剤)をもちいた分子標的治療の可能性が示された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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