研究課題/領域番号 |
17591390
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西尾 秀樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (30345897)
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研究分担者 |
二村 雄次 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80126888)
梛野 正人 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (20237564)
小田 高司 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30311715)
横山 幸浩 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (80378091)
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キーワード | 肝再生 / 経皮経肝門脈塞栓術 / 非侵襲下門脈結紮モデル / シグナル伝達経路 / IL-6 / NF-kB |
研究概要 |
Surgical non-stressラット門脈結紮モデルにおける肝再生signaling pathwayの検討:肝再生早期には各種転写因子(NF-kB、STAT3)が発現、活性化することが報告されているが、従来の門脈結紮モデルでは開腹による各種因子の発現への影響を否定できない。臨床の場で非侵襲的に施行される、経皮経肝門脈塞栓術後における肝再生のメカニズムを解明するため、surgical non-stressラット門脈結紮モデルを確立した。全身麻酔下に開腹し、結紮糸を門脈左枝の周りに結紮せずに通しておき、手術の侵襲が無くなった一週間目に皮下から出してある糸を引っ張り門脈結紮を行う。この非侵襲下門脈結紮モデルを用いて、経時的に非塞栓葉の肝組織を採取、解析しシグナル伝達系を解明した。門脈結紮後、非塞栓葉におけるNf-kBの活性は0.5-1時間に認め、IL-6mRNAの発現は3時間で有意に上昇した。なおin situ hybridization法により、IL-6mRNAの発現はperiportal領域の類洞内皮細胞で優位に認められた。血清IL-6は3時間以内に速やかに上昇し6時間まで上昇し続けた。更にSTAT3の活性は3-6時間にピークをみた。以上の結果より、門脈塞栓術→非塞栓葉の類洞内皮細胞のstretch→Nf-kBの活性→IL-6産生→肝細胞内でのSTAT3の活性→肝再生のcascadeの存在を示唆していると考えられる。
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