研究課題
日本で健康診断の年間受信者はのべ6,700万人で、2003年度の便潜血検査検体数は約6000万検体である。しかしながら、便潜血に陽性者のうち実際に大腸癌が見つかる的中率は3%以下とされている。糞便中の遺伝子変異の同定が大腸癌の早期診断への応用は今まで試みられているが、いずれもDNAの抽出が課題で、精製までの過程が複雑であり、家用化にいたっていない。我々は実用化可能な独創的な方法論・技術を開発した。この方法論により、従来より迅速かつ鋭敏に遺伝子診断が可能となった。便中DNAに含まれる遺伝子プロモータのメチル化をDNAの抽出を経ずにbisulfite処理を行い、我々が以前より開発しているMethylation specific single PCR (MSSP)法(特許出願)で15の遺伝子・lociのプロモータのメチル化を検討した結果、現在4つの遺伝子に絞り込まれてきた(特許出願)。これらの特許はPCT出願した。このメチル化の測定によりほぼ正確に大腸腺腫および大腸癌を同定できることが明らかになった。この技術は岡山TLOより、ファルコバイオシステムズ株式会社に移転され、臨床応用が始まろうとしている。今回更に、これより特異度を更に上げるべく研究を行い、HiSA法を完成させた(特許出願準備中)。膵癌に関してもマーカーを絞り込み便での検証に入らんとしている。
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Gut 56
ページ: 13-19
Int. J.Cancer 119
ページ: 2513-2519