研究課題/領域番号 |
17591404
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
池田 聡 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 寄附講座教員 (60397924)
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研究分担者 |
岡島 正純 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 寄附講座教員 (90274068)
浅原 利正 広島大学, 病院・教授 (70175850)
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キーワード | 便検査 / APC / MCR / Stop codon / 酵母 / URA3 / 5FOA |
研究概要 |
本研究では大腸癌の80-90%にAPC(adenomatous polyposis coli)遺伝子の異常があることに着目し、便中に含まれる微量の脱落癌細胞からDNAを抽出し、酵母を用い大腸癌の存在診断を行うことを目的とした。 (1)ヒト大腸癌由来細胞株SW480はAPC遺伝子内のMCR(Mutation Cluster Region)内にストップコドンを生じる変異を持っている。健常人リンパ球由来DNAとSW480由来DNAを用いてAPC遺伝子のMCR部分のPCRを行い、URA3(+) vectorへ組み込み、酵母に遺伝子導入し通常培地とFOA(+)培地でcultureしコロニー形成を確認した。FOA(+)培地では健常人由来のものはコロニー形成せず、SW480由来のものではAPC遺伝子異常のストップコドンのためURA3発現がみられず、コロニー形成が見られた。 (2)次にヒト便よりDNAを抽出する方法について、既に確立されている手技より更に採取量・方法などの点で改善を加え、安定したDNA採取が可能となった。 (3)健常ボランティアからの便DNA抽出、APC MCRのPCR、酵母への遺伝子導入の技術は完了できた。しかしながら更に遺伝子導入における効率の改善が必要である。担癌患者に関しては、切除腫瘍に対するAPCのSequence手技は完成している。現在院内倫理委員会に申請し、遺伝子解析が可能となるよう計画を進めている。 (4)現段階では当該研究は成熟しているとはいえず、特許申請はまだ行っていない。今後の実験成果をもって行う予定である。
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