研究課題/領域番号 |
17591408
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
藤井 正彦 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 非常勤講師 (20380040)
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研究分担者 |
居村 暁 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (90380021)
森根 裕二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60398021)
島田 光生 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10216070)
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50211305)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 肝移植 / 過小グラフト / 大量肝切除 / 肝再生 / グラフト機能不全 / cytokine / activin / follistatin |
研究概要 |
【背景・目的】 大量肝切除後の肝不全は肝臓外科における深刻な合併症の一つである。また移植後肝不全の発生にはgraft sizeが重要な因子であり、small-for-size(SFS)graft syndromeの克服は重要な課題である。本研究では大量肝切除後の肝再生調節機構の解明とともに術後肝不全の制御法について検討する。 【方法・結果】 1.肝虚血再灌流障害の制御 (1)Follistatin投与:虚血再灌流モデルにおいて再灌流直後follistatinを投与し肝障害抑制効果を検討したが、肝逸脱酵素の改善や生存率の向上を認めなかった。 (2)fluvastatin投与:ラット虚血再灌流モデルにおける術前投与のより肝傷害の軽減だけでなくeNOSの増加、サイトカイン、NOX4の抑制を認めた。 2.大量肝切除術彼の遺伝子発現の包括的解析 ラット大量肝切除後、経時的に組織を採取してDNAマイクロアレイによる遺伝子発現の検討を行った結果、STAT3、HO-1の発現亢進を認めた。 3.肝再生のmodulationによる効果検討 (1)FK506:本薬剤の術前投与が肝再生に及ぼす影響についてラット肝切除モデル(70%、90%)を用いて検討し、90%モデルにおける濃度上昇を確認するとともに肝再生増強効果を確認した。 (2)因_蒿湯:胆汁分泌・排泄促進作用を有する因_蒿湯のラット大量肝切除術前投与により、投与群において肝逸脱酵素上昇の改善、肝再生増強効果、生存率の改善を確認した。また免染においてPCNA、HO-1の発現増強、α-SMAの発現抑制を認めた。 (3)fluavastatin:血管・臓器を保護するVascular statinとして注目されているHMG-CoA還元酵素阻害薬であるfluvastatinのラット大量肝切除術前投与による効果を検討したところ、投与群における肝再生増強効果を確認するとともにT-Bil値の減少を認めた。また免染においてα-SMAの発現抑制を認めた。 【まとめ】 本研究では大量肝切除術後の肝再生調節機構を解明するとともに各種薬剤(fluvastatin,FK506,因_蒿湯)による術後肝不全の制御について分子生物学的に明らかになった一方、activinの精製困難からactivin投与による肝再生制御を解明するにいたらなかった。
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