研究課題
これまでの我々の免疫組織学的検索においてもp53(-)、p21(+)であるwild-type p53が機能していると考えられる症例において治療感受性が高い傾向が認められた。本研究では、術前化学放射線療法あるいは根治的化学放射線療法を施行した食道癌症例を対象とし、術前治療としては40Gyの照射とシスプラチン+5-FUの化学療法を1cycle施行する。また根治的化学放射線療法としては60Gyの照射と2cycleの化学療法とし、その効果と癌関連遺伝子変異との相関を検討する。一方、Three dimensional(3D)CTの普及により、周囲臓器との立体的位置関係のみでなく実質臓器や腫瘍の容積がある程度正確に推定できるようになった。また、Positron Emission Tomography(PET)により癌細胞のviabilityの評価が可能となり、化学放射線療法の感受性の推定に有用と考えられる。本研究では化学放射線療法施行例において、治療前、治療後に病変部を3D CT、PETで評価する。3D CTによるvolumetry、PETによるSUV(standardized uptake volume)値を治療前後で比較する。3D CTでは、volumetryによる正確な容積の推定が可能であり、縮小率の算出も信頼性が高い。PETでのSUV値の変化は、形態面のみならず、癌細胞のviabilityの変化を推測するのに有用であると期待される。術前治療施行例においては組織学的奏功度との関連を、根治的化学放射線療法施行例では生存率との関連を検討する。現在、進行食道癌に対し上記の術前治療を行い、その治療効果を各種画像で解析するとともに、切除標本での病理学的効果の対比を行っている。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
Am J Surg 189;1
ページ: 110-115
Anticancer Res 25
ページ: 2713-2718
ページ: 3117-3122
Oncol Rep 13
ページ: 1059-1063
Cancer Lett 227
ページ: 33-38
Esophagus 2
ページ: 129-132