研究概要 |
18年度 【方法】(1)癌になりやすさの指標としての遺伝子多型:全結腸内視鏡検査を行い腫瘍の有無を確認した患者600例、対照600例。末梢血DNAについて機能的多型を持つ20遺伝子多型(SMYD3、PPARG、 TP53、STK15、IGFBP3等々)をTaqMan PCR法で解析、シークエンスで確認した。(2)腫瘍におけるゲノムアレイ解析(アジレソト44kアレイ)を手術切除標本30例について施行した。 【結果】(1)SMYD3多型について遺伝子型(1/2)subtype頻度が対照群16%、大腸癌群22%と有意な差を認めた(p=0.05)。更に2遺伝子による複合多型解析ではSMYD3、STK15、ADPRT遺伝子のうちいずれの2つの組み合わせでも有意な差を認めた。また遺伝子発現解析では癌進展に強く関連する遺伝子としてMYC, CLDN1,FABP6,TROP2,BMP7,MMP11,MMP7,DCC1,COL2A1が抽出され中でもTROP2,FABP6は腫瘍での発現が顕著で転移に関連し、独立した予後規定因子となった。(2)ゲノムアレイ解析では25症例において8p12-11、10q22.3を認めたため、当該領域にある遺伝子発現との相関を検討している。
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