研究課題/領域番号 |
17591422
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
山口 浩司 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60315512)
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研究分担者 |
木村 康利 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80311893)
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
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キーワード | 胃癌 / 同所性移植 / VEGF-C遺伝子 / リンパ節転移 / DNAマイクロアレイ |
研究概要 |
本件研究では種々のヒト胃癌細胞株を用いたリンパ節転移モデルからリンパ節転移成立に特異的に関与する因子、遺伝子を同定し、それらの発現・機能をRNA interferenceにより抑制・制御することにより、ヒト胃癌外科治療における臨床応用の可能性を探索するものである。また、ヒト癌を本来の発生臓器に移植する同所性移植法を用いることにより、ヒト癌転移の全過程を表現し得るため転移機構の解明や治療実験に有用なモデルと考えられる。まず、胃癌細胞株AZ521 5×10^6/0.1mlの細胞浮遊液をマウス胃壁に接種する細胞注入法を用い同所性移植を施行した。移植するマウスは生後6-7週、体重16-20gの雌(BALB/c Ajcl-nu)を用いた。リンパ節転移巣の転移細胞を培養しAZL1Gを樹立した。さらに上記のことを4回繰り返しAZL5Gを樹立した。以下、親株との比較検討を行った。1.移植腫瘍の転移率:AZL5Gのリンパ節転移率は85.0%であった。2.細胞増殖能:in vivoではAZL5Gは明らかにAZ521の増殖能を上回った。3.細胞運動能:AZL5GはAZ521に比し亢進を認めた。4.接着分子の発現:FACSによる細胞表面接着分子の発現では、AZL5Gではα_1、α_2インテグリンの発現が亢進していた。5.細胞接着能:AZL5Gはtype IV collagen、fibronectinに対する接着能が亢進していた(P<0.05)。6.血管新生因子産生量:VEGFの産生量ではAZL5Gは親株と差を認めなかった。7.VEGF-C遺伝子の発現:AZL5GにおいてのみVEGF-Cの発現が認められた。8.DNAマイクロアレイにより転移関連因子の発現を遺伝レベルで検討すると、AZL5Gではendothelin-A receptor、TGF-beta II R alphaなどがのup-regulated geneであった。以上のように補助金は補助条件に従って、有用に使用されている。
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