研究課題/領域番号 |
17591424
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
木暮 道彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90264548)
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研究分担者 |
寺島 道彦 福島県立医科大学, 医学部, 講師
星野 豊 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30295414)
斎藤 拓朗 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20305361)
後藤 満一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50162160)
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キーワード | 表層拡大型食道癌患 / APC凝固 / 伸展形式 / Sonic hedgehog |
研究概要 |
食道粘膜をArgon Plasma Coagulation (APC)で傷害し組織修復状況から表層拡大型食道癌患の伸展形式を類推し、基底膜に存在するといわれている癌stem cellの動向を組織学的に検討した。インフォームドコンセントが得られた表層拡大型食道癌患者4例に対し、内視鏡下に食道癌口側端のep癌部と正常部を含め約2×2cmにわたりAPC (60W、2.0L/分、1秒間)にて焼灼した。1週間後食道亜全摘術を行い、ホルマリン固定1日後、標本を5mm幅に全割し、病理組織学的検査および増殖活性をKi67、悪性度をp53、Sonic hedgehog (Shh)にて免疫染色を行った。【結果】症例は全例O-IIc+IIa型、表層はm癌であり、症例1、2、3、4の深達度/分化度/pN/ly/v/ieはそれぞれsm2/por/3/1/0、sm2/por/2/1/1、sm2/mod/0/1/0、mp/mod/2/1/1であった。APC焼灼部は粘膜筋板まで組織が脱落または壊死し大部分は再生上皮が認められず、粘膜下層は保たれることが判明した。癌部/APC蒸散部周囲における症例1、2、3、4のKi67染色発現度は-/-、+/-、-/-、-/+であった、同様にp53の発現度は++/-、-/-、-/-、-/-、Shhの発現度は-/-、-/-、+/-、-/-であった。癌部APC焼灼側から連続する異型上皮が壊死組織上を伸展していく像が一部に認められた。また正常部APC焼灼側から壊死組織上を不連続性に上皮が再生した像が一部に認められた。【考察】粘膜焼灼後1週間では組織修復はまだ不十分であるが、一部には水平方向の癌の伸展を認めたことから表層拡大型では水平方向に発育する可能性が示唆された。しかし同部に一致した増殖活性やShh発現は認められず、現段階でのStem cellの関与は焼灼後2週間以降の検討が必要と思われた。
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