研究課題/領域番号 |
17591427
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
高橋 広城 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30381792)
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研究分担者 |
真辺 忠夫 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80127141)
岡田 祐二 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (10305550)
山本 稔 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70347417)
松尾 洋一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40381800)
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キーワード | GDNF / 膵癌 / 転写因子 / 接着因子 / インテグリン |
研究概要 |
以前より我々は膵臓周囲に広く存在する神経組織と膵癌との相互作用について注目しており、神経組織から分泌される神経栄養因子が膵癌の神経浸潤に対し重要であるとの報告を行ってきた。今回の研究は、膵癌の神経浸潤に関するシグナル伝達経路を解明し、その経路を制御することにより膵癌の神経浸潤を抑制することが可能かどうかを明らかにすることを目的としている。平成17年度の研究計画としては、膵癌細胞における細胞内シグナルの活性化の有無を明らかにすることであった。膵癌細胞をGDNFで刺激を行い、細胞内シグナルの代表としてERK-1/2,PI3-K,p38を選び、それぞれのリン酸化が起こるかどうかをwestern blotを使用して実験を行った。MIA PaCa-2を用いた実験ではGDNFによる刺激によりERK-1/2,PI3-Kのリン酸化が濃度依存的に確認された。しかしP38については明らかなリン酸化は見られなかった。また細胞内リン酸化抗体を用いたELISAにおいてもGDNFにより明らかなリン酸化が出現しており、膵癌細胞においてはGDNFにより細胞内シグナルの活性化が生じていることが明らかになった。続いて我々はその細胞内シグナルが転写因子であるNF-kBの活性化に注目して、Double Luciferase Assayを用いてNF-kBの活性化を測定した。それによるとGDNFからの刺激は確かにNF-kBの活性化まで連続しており、細胞内シグナル伝達経路が明らかになった。平成18年度は本年の結果を基にして治療的な側面から研究を進めていく予定である。
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