研究課題
基盤研究(C)
ビオチン化キメラ化A7-Fab分画とGd^<3+>との結合にはキレート剤を用いた。ビオチン化キメラ化A7-Fab分画とキレート剤DTPAとをcyclic DTPA法で結合後に、G-25カラムでゲル濾過してビオチン化キメラ化A7-Fab分画とDTPAの結合物を精製した。DTPA結合ビオチン化キメラ化A7-Fab分画にGd^<3+>を加えた後にG-25でゲル濾過して、Gd^<3+>標識ビオチン化キメラ化A7-Fab分画を作成した。ヌードマウスにヒト膵癌細胞株を皮下注射してヒト膵癌移植ヌードマウスを作製し、^<125>I標識Gd^<3+>標識ビオチン化キメラ化A7-Fab分画を静脈注射して、30分後にアビジンを静脈注射した。さらに30分後に犠牲死せしめ、血液と腫瘍、心臓、肺、肝臓、脾臓、腎臓、膵臓、小腸、大腸を採取して各重量を測定後に放射能を測定した。各組織の単位重量当たりの放射能を算出して^<125>I標識Gd^<3+>標識ビオチン化キメラ化A7-Fab分画の分布を%dose/gramで表した。その結果、アビジンを投与していないときは腎臓への集積がやや多かったが、アビジンを投与した群では腎臓への集積は減少した。血液への集積はアビジンを投与した群で低値を示した。腫瘍への集積はアビジンを投与してもほとんど変化はなかった。以上のように、Gd^<3+>標識ビオチン化キメラ化A7-Fab分画を静脈注射して、30分後にアビジンを静脈注射することにより腫瘍への集積を減少することなく正常組織への集積を減少させることが可能となったため、この複合体を膵癌に対するMRIの造影剤として用いた場合にコントラストの良い画像が得られる可能性が示唆された。
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J Surg Oncol (In press)
Monoclonal antibody conjugated to Gadolinium as a contrast agent for magnetic resonance imaging of human rectal carcinoma. Journal of Surgical Oncology (In press)