研究課題
1997年4月以降、大腸癌術後患者を対象に実施している大腸内視鏡患者において、発見された6mm以下の大腸ポリープのうち経過観察が可能と判断された500病変があり、367病変で再度内視鏡検査が実施された。現在までに平均3.6±2.2年の観察期間中に3.6±1.6回の大腸内視鏡検査が実施された。ポリープ径の変化は、不変294病変、縮小12病変、増大61病変であった。増大の程度は、2mm:35病変、3mm:16病変、4mm:5病変、5mm:3病変、6mm:1病変、11mm:1病変であり、11mm増大した病変は身体的事情により7年8ヶ月の間、大腸内視鏡検査が実施できなかった例であった。この病変は、内視鏡的に切除され、病理組織学的には中等度異型腺腫であることが確認されている。増大したポリープ61病変のうち内視鏡治療が行われた病変は36病変あったが、病理組織学的には軽・中等度異型腺腫32病変、過形成性ポリープ4病変であった。癌化例は一例も認められなかった。今年度は、経過観察された腺腫7病変あった。この7病変を含めて14病変において、全患者から遺伝子学的検索に関する研究協力承諾書をいただき、現在、凍結保存中である。以上の行程は、冨樫一智が中心となって実施し、この研究成果は平成19年度の米国大腸直腸外科学会(ASCRS)において口演発表が予定されている。"増大した腺腫"と"腫瘍径に変化のない腺腫"からmRNAを取り出し、マイクロアレイ法により比較検討することを目的としているが、本年度は、14病変からmRNAを抽出した。この検索は、現在遂行中である、以上は、本年度から宮倉安幸が中心となって実施した。
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