研究課題/領域番号 |
17591440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
安藤 暢敏 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90101972)
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研究分担者 |
佐藤 道夫 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50215852)
小川 信二 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80224103)
原田 裕久 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70265841)
青木 成史 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (50296589)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 移植 / 再生医学 / 細胞培養 / バイオテクノロジー |
研究概要 |
1.ラット食道上皮細胞の分離培養法の検討 1)ドナーラットを儀死させて食道を採取し、酵素処理法(ディスパーゼ1000u/ml、2.25%トリプシン)を応用して食道上皮細胞を回収し、3T3細胞培養法を応用して食道上皮細胞を培養増殖することが可能になった。type Iコラーゲンゲル上でラット食道上皮細胞を培養し移植可能な培養細胞シートを作製することに成功した。 2.組繊再構築型人工食道の作製 1)培養細胞シートを、レシピエントラットの大網あるいは広背筋表面に移植した。移植後1,2,3週目に採取したところ、管腔構造が維持された組織学的にも内腔が食道粘膜で被覆された組織再構築型人工食道の再生が証明された。 3.組織再構築型人工食道による小腸吻合実験と頚部食道の置換実験 1)組織再構築型人工食道とレシピエントラットの小腸を端々で吻合した。縫合不全を起こさず人工食道の粘膜は正常な粘膜へと再生した。 2)頚部食道を切除して組織再構築型人工食道で置換した。手術後6日目までラットは生存し、人工食道と生体の食道の連続性が確認された。 3.ヒト食道上皮細胞の分離培養とヌードマウスへの移植 1)食道癌切除標本より正常食道粘膜を採取して、食道上皮細胞を上記方法にて分離培養をおこなった。ヒト食道上皮細胞をsingle cellとして分離が可能であった。 2)臨床応用可能するためヒト食道上皮細胞は無血清培地を用いて培養した。ヒト食道上皮細胞によるシートの作製が可能であった。 3)シートをヌードマウスの広背筋上に移植し組織学的な変化を観察したところ、移植2週目にはヒト食道に類似した組織像が確認された。 以上の実験結果より、ヒトの正常食道組織より回収した上皮細胞を利用して新生食道が再構築できる可能性が示唆された。さらに、ラットの実験結果より食道切除後の再建臓器として組織再構築型人工食道が臨床応用できる可能性が示唆された。
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