研究概要 |
1.Maf familyはbZip構造を持つ転写因子で、我々はlarge maf (mafA, mafB, c-maf)のヒト、ブタのadultおよびdivelopping pancreasにおける発現を検討し、insulin, glucagonとそれぞれのmafとの共発現を示した(Pancreas 32(4):408,2006)。large mafが膵の内分泌細胞の分化、機能に決定的に関わり、特にmafAはインスリンのプロモーターに結合する転写因子として、β cellの最終分化やインスリン分泌機能に寄与することが示された。 2.MafAのノックアウトマウスは耐糖能異常を示すが、膵重量あたりのインスリン含量は保たれていることが報告されている。我々はより疾患モデルに近いin vivoのmafA siRNAによるgene silencingの検討を行った。vector baseのmafA siRNAは市販で購入し、mouse 8週齢にhydrodynamic methodsにより投与した。sequenceの異なる3配列につき、50μg,200μg,の2用量で、24hr,48hr,72hr,の3ポイントで膵におけるmafA mRNAの抑制効果の発現を観察した。1配列で、200mg,24hrの条件で最大効果が得られ、コントロールと比較してmafA mRNA 50% reductionがえられた。Expression profileを検索するため、この検体について、microarray analysis (Affimetrix)を施行したところ、down-regulated genesとしてinsulin, preproglucagonに加え、adipsin, adiponectinなどのmRNAも変化しており、mafAが内分泌細胞の分化、発現、機能のみならず、adipokine networkに関わる可能性が示された。
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