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2006 年度 実績報告書

喫煙による大動脈の瘤化メカニズム解明に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591454
研究機関東北大学

研究代表者

斎木 佳克  東北大学, 病院, 講師 (50372298)

研究分担者 田林 晄一  東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90142942)
井口 篤志  東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90222851)
小田 克彦  東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60323002)
赤坂 純逸  東北大学, 病院・助手 (80343044)
新田 能郎  東北大学, 病院・助手 (80375005)
キーワード喫煙 / 大動脈瘤 / DDS
研究概要

昨年度に引き続き、ビーグル犬を用いた解析を継続してきた。タバコに含まれる化学物質として、最も多く含有され、かつ脂溶性物質としてベンツピレンを選択した。あらかじめ、ポリ乳酸カプロラクトン共重合体50mgとベンツピレン7mgをクロロホルム1ccを共溶媒として溶解させ、円形のディッシュの中で乾燥させて、ベンツピレン徐放フィルムを作成した。全身麻酔下に、左開胸を施行、胸部下行大動脈にフィルムを貼付け、一部縫合して、大動脈壁に対してベンツピレンを徐放するモデルを作成した。
1ヶ月後に、犠牲死させ、大動脈を肉眼的かつ組織学的に観察した。仮説では、喫煙と大動脈瘤の拡大に関する疫学的因果関係を解明することを意図し、脂溶性物質が大動脈壁内に沈着する際にベンツピレンなどの物質が高濃度に大動脈壁に蓄積し、大動脈壁の脆弱化を引き起こす事を想定した。肉眼的には、当該部位の大動脈壁は、周囲組織との高度な癒着を生じており、激しい炎症反応が生じた事が示唆された。組織学的には、内膜、中膜、外膜の基本構造は保たれており、フィルム周囲の構造破壊や、繊維性組織の被薄化など、組織の脆弱化を思わせる所見は認められなかった。好中球等の高度な細胞浸潤を認め、同部位の炎症が高度である事が示唆された。
今回の解析の問題点として、設定した徐放期間が1ヶ月と短く、また濃度も7mgと大過剰であったことから、実際の臨床像をどの程度mimicできたのか、疑問が残る事、まだ解析数が少なく、個体差がどの程度関与しているのか不明な事、などがあげられる。今後、徐放期間の延長を含め、より大動脈瘤の臨床像に近いモデル構築が可能かどうか、さらなる検討が必要と考えられる。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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