研究課題/領域番号 |
17591455
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新田 能郎 東北大学, 病院, 助教 (80375005)
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研究分担者 |
田林 晄一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90142942)
崔 禎浩 東北大学, 病院, 講師 (60312576)
齋木 佳克 東北大学, 病院, 講師 (50372298)
小田 克彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60323002)
赤坂 純逸 東北大学, 病院, 助教 (80343044)
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キーワード | 薬剤徐放 / 血管成長因子 / 経気道投与 / 肺高血圧 / フォンタン型手術 |
研究概要 |
単心室型の先天性複雑心奇形は、上下大静脈から肺動脈への血流路を作成する右心バイパス手術により機能的根治が一般的になされる。可及的早期にこの手術を行うことが心室の容量負荷による心機能低下を避ける上で重要だが、生後6ヵ月以内は肺血管床の発達が十分でないためこの手術は成立しないとされ、手術待機するのが通例であるが、この期間に死亡する患児も少なくない。本研究では、血管成長因子の経気管支投与(吸入投与)法の開発を行うことを目的とした。 ラットを用い、主気管支から経気管支的に血管成長因子(bFGF)包含ゼラチンハイドロゲルを噴霧する群を作成し、bFGFを包含するゼラチンハイドロゲル粒子に関して、含水率98wt%(約2週間の徐放期間)及び含水率95wt%(約4週間の徐放期間)の2種類のゼラチンハイドロゲル粒子を作成した。作成し得た再短径(10μm)のゼラチンハイドロゲル粒子に色素を含有させ、主気管支から投与し、気管支のどのレベルまで到達するかの確認実験を進めた。ラットを用い、全麻下に14-16Gのカニューレで気管内挿管し、人工呼吸管理を行った。このカニューレから更に細いカテーテルを進め、一側気管支に到達させ、ゼラチンハイドロゲル粒子の注入を行い、到達分布を解析した。分布は均一とならず、偏在しがちであった。病理組織ではゼラチンハイドロゲル粒子の区域気管支レベルでの分布が確認し得た。更に小さいゼラチン粒子(2μm程度)が必要と考えられたが、ゼラチンの微粒子化が困難であったため、週令の進んだ体重の大きなラット(400g)を用いて同様な実験を行った。前研究で肺動脈からlipofectionによる遺伝子導入を行った際には、均一な遺伝子導入が得られたのに対し、今回行った徐放性ゼラチンハイドロゲル粒子の経気道投与法の開発は、小動物に対しては困難となる結果となった。今後、細気管支レベルに均一な到達分布を得る手法の開発が課題となった。
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