研究課題/領域番号 |
17591460
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中島 淳 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90188954)
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研究分担者 |
垣見 和宏 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員(客員助教授) (80273358)
村川 知弘 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50359626)
深見 武史 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40396742)
倉知 慎 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員(助手相当) (00396722)
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キーワード | 非小細胞肺癌 / γδT細胞 / 細胞療法 / 自主臨床試験 / 安全性 / 推奨用量 / 抗腫瘍効果 / NKG2D陽性細胞 |
研究概要 |
今年度はγδT細胞に関する基礎的研究を行うとともに、臨床研究の準備を完了し、治験を開始した。 1.γδT LAK細胞の生物学的特性の研究 末梢血由来の単核細胞成分(PBMC)をIL-2(700U/ml)とPamidronate(10μM)存在下で2週間培養するとγδT細胞優位に約1000倍まで増殖し、全PBMCの85-95%がγδT細胞となることが知られているが、このγδT細胞の特性について検討した。 γδT LAK細胞中、anti-panγδTmAbで測定されたγδT細胞の割合は90%であり、これはVγ9TCR陽性であることを再確認した。本研究ではこの分画がCD4-CD8 double negativeであり、NK活性化型recepterの1つであるNKG2Dを発現すること、このNKG2D陽性細胞はCD56+とCD56-の分画に1:1の割合で分けられることを明らかにした。さらにこのγδT細胞は、樹状細胞とPamidronate両存在下で特異的にinterferon-γを産生する事をElispot法で確認した。もしも腫瘍株がNKG2DのリガンドであるMIC A/Bを発現していればγδT細胞はこれを障害する可能性がある。 2.自己γδT細胞療法の非小細胞肺癌に対する安全性および効果に関する臨床研究 非小細胞肺癌に対するγδT細胞の安全性、推奨用量の推定、抗腫瘍効果を単群オープン・用量漸増法により検討する。 同意を得た被験者から採血した単核球分画よりγδT細胞を増殖・活性化させ、2週間後に被験者に静脈内投与する。漸増法(1回目:1×10^7細胞、2回目:1×10^8細胞、3回目以降:1×10^8細胞以上)により、2週間毎に6回投与し、問診・理学所見・臨床検査・画像検査による安全性の検討ならびに抗腫瘍効果を検討する。自主臨床試験として本学倫理委員会で今年度中に承認され、研究を開始した。
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