研究課題/領域番号 |
17591468
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐地 嘉章 京都大学, 医学研究科, 助手 (00399776)
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研究分担者 |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
米田 正始 京都大学, 医学研究科, 教授 (20303810)
丸井 晃 京都大学, 医学研究科, 助手 (60402856)
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キーワード | 血管新生療法 / Bio-CABG / バイオバイパス / 被覆大網 / bFGF徐放化シート |
研究概要 |
ウサギ慢性心筋虚血モデルにおける研究では日本白色ウサギを用い、冠動脈に狭窄を生じるアメロイド・コンストリクターを留置し慢性心筋虚血モデルを作成。bFGF徐放ゼラチンシート貼布に有径大網被覆を併せた本研究と同様の治療を行った。この治療方法に対して以下の評価結果を得た。 a)心臓超音波検査による心機能評価:無治療に対し心機能が改善 b)血管造影法により胃大網動脈からの側副血行路の発達を評価:良好な側副血行路が形成された。 c)マイクロスフェア法による局所血流量を評価:無治療に比し、局所血流は有意に改善。 d)免疫組染色法にて新生血管数の密度、成熟度の評価:心外膜より心筋内側へ入る小型動脈がこの治療により形成された。 以上の結果を踏まえブタ慢性心筋虚血モデルを用いた研究では1)Western blotによる被覆大網からの各種増殖因子(HGF, VFGF, PDGF等)の経時的変化の検討2)走査電子顕微鏡を用いた側副血管の血管径の測定を実施中である。 臨床応用研究では下肢慢性虚血におけるbFGFを用いた血管新生療法の臨床試験が本学倫理委員会で承認され、スタートした。既に5例の臨床試験を終え、下肢虚血症状が著明に改善した症例もあり、概ね良好な結果を得た。本研究においても対象患者の割り出し、臨床レベルでのbFGF徐放化シートの作成計画、患者教育およびインフォームドコンセントの取得、関係コメディカルへの教育および術前後にわたる患者観察、管理体制の構築を行い、本学倫理委員会の承認を得た。対象症例があれば早速、スタートできる体制となった。
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