研究概要 |
【目的】 1.EPC移植による血管新生により,病的肺血管床が形態的・機能的に根治術可能な程度までに回復するか否か?2.EPCの最も有効な肺への移植法を検討する. 【方法】 (1)雌性B6マウス(8-10週)にmonocrotaline(MTC)80mg/kgの腹腔内投与を行い,肺高血圧マウスの作成する.(2)MTC投与4週時,マウス長骨骨髄よりえたmononucleor cell(1×10^6/0.2ml)を,マウスの眼底静脈より投与.(コントロール群として生食0.2ml投与)(3)mononucleor cell投与4週後に,マウスを犠牲死させ肺血管新生について検討した.評価項目として(1)肺血管数/1視野,(2)肺動脈内膜肥厚;内膜厚/血管径,(3)右室心筋重量比;右室心筋重量/中隔+左室心筋重量を検討した. 【結果】 (1)肺血管数;コントロール群5.0±2.0,mononucleor cell投与群17±3.6,(2)肺動脈内膜肥厚;コントロール群0.22±0.05,mononucleor cell投与群0.08±0.02,(3)右室心筋重量比;コントロール群0.29±0.01,mononucleor cell投与群0.21±0.02 【考察】 以上より,mononucleor cell投与群では,コントロール群に比し,有意に肺血管数が増加し,肺動脈内膜肥厚,右室心筋重量も有意に減少した.すなわち,肺血管新生により,肺高血圧が軽減されたことを反映しているものと考えられ,mononucleor cellによる肺血管床再生の臨床応用が期待できる.今後,mononucleor cellを気管内投与,肺表面からの直接肺内移植といった異なる投与経路での肺血管新生効果について検討,さらにその血管新生のメカニズムを追求する予定である.
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