研究課題/領域番号 |
17591484
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
辻 毅嗣 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50295804)
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研究分担者 |
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00033358)
吉川 義朗 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40343420)
中島 千香子 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50336848)
田村 大和 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20382301)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | SERCA2a / Phospholamban / RNAi / 遺伝子導入 / 不全心 |
研究概要 |
我々は、ラット心不全心モデルに,sarcoplasmic reticulum Ca^<2+> ATPase (SERCA2a)遺伝子を導入することにより心機能と生存率が改善されると報告してきた。またSERCA2aの抑制蛋白であるPhospholamban(PLB)をアンチセンス法で抑制することでも、SERCA2a機能を亢進できる。このように我々はPLBとSERCA2aの比率(PLB/SERCA2a ratio)に着目し不全心の治療が可能であると考えている。しかし、従来のアデノウイルスによる遺伝子導入では小動物では心臓全体に対し治療が可能であるが、大動物やヒトの心臓全体に対しては充分な機能回復をもたらすことは困難であり、その方法は未だ確立されていない。最近のトピックスで、線虫でRNAi (RNA interference : RNA干渉)により遺伝子発現が抑制されていることが発見され、哺乳類でも同様のメカニズムがあり、小さなRNAを用いて遺伝子サイレンシングを行う方法が報告され非常に注目を浴びている。そこでRNAiと遺伝子導入を組み合わせて、より高率の良いしかも毒性の少ない不全心治療法を開発することが本研究の目的である。本年度は以前行っていたエックス線透視下の遺伝子導入法を超音波ガイド下で行えるようになった。またsiRNAの作製については、以前、他施設でPLBに有効なsiRNAを作製したが、in vitroでは有効であったが、in vivoでは無効であったという情報をえた。しかし、その後も生体内でPLBに有効なsiRNAの入手はかなわず今後の発展に期待したい。また、重症心不全に対するSRCA2aの有効性についてはさらに検討し報告を重ねた。現在、アデノウイルスを使用しないより安全な方法を検討中であり、臨床応用にむけさらなる進化が期待される。
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