研究課題/領域番号 |
17591485
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
福廣 吉晃 岩手医科大学, 医学部, 助手 (20228927)
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研究分担者 |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
川副 浩平 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50075561)
石原 和明 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (30119888)
遠藤 重厚 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30160394)
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キーワード | 循環器・高血圧 / 生理学 / 分析化学 / 可視可 / 外科 |
研究概要 |
これまでの心筋エネルギー代謝の評価方法は、心筋生検による高エネルギーリン酸の測定やNMRによる計測等が行われてきたが、時間的空間的制約があり、臨床応用は困難である。心筋細胞内ミトコンドリアは、心筋エネルギー代謝に密接に関与しており、酸素の供給を受け、NADHをNAD^+に変換する過程でATPを産生し、心筋虚血といった酸素不足の状態では、NADHはNAD^+に変換されず、心筋細胞内に蓄積する。このNADHは紫外線に対して蛍光特性を有しており、本研究では、この特性に着目し、NADH蛍光観測システムを開発、心筋虚血・再灌流時の心筋エネルギー代謝の動態をイメージ化し、これまで、摘出心による晶質液灌流モデルで冠循環調節機構の関係を評価してきた。本研究で使用するNADH蛍光観測システムは、紫外線を心表面に照射するのみで、心臓全体、局所での心筋エネルギー代謝の動態を無侵襲、簡便かつビジュアルに評価することが可能であり、臨床応用に期待が持てるシステムと思われる。本年度は、臨床応用に向けたプロトタイプの設計を行った。従来のシステムは、蛍光フィルター付きレンズ、CCDカメラ、紫外線励起光源から構成されているが、よりコンパクトで操作性を向上させるため、CCDカメラと紫外線励起光源を一体化させ、また観察部位への紫外線照射角とイメージ受光角とのズレを改善した。つぎに赤血球による紫外線吸収障害について検討した。ブタ血液を用い、全血、希釈血で検討した結果,全血では、受光部のフィルターをGreenフィルター、Blueフィルターに変更しても紫外線透過性は完全に遮断された。希釈血では、フィルターなし、Greenフィルター、Blueフィルター装着ともに紫外線透過性を確認することができ、紫外線励起緑色光は血液によって透過を阻害され、阻害の度合いは血液(赤血球)濃度に依存することが示唆された。今後赤血球を透過する波長域(紫外・赤外含む)の特定、NADHの励起波長測定、撮影環境の検討を行う予定である。
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