研究課題/領域番号 |
17591488
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
宮島 邦治 東京医科大学, 医学部, 助手 (80372952)
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研究分担者 |
大平 達夫 東京医科大学, 医学部, 講師 (40317847)
菅 泰博 東京医科大学, 医学部, 助手 (40408258)
本多 英俊 東京医科大学, 医学部, 助手 (60349503)
平野 隆 東京医科大学, 医学部, 助教授 (30238381)
加藤 治文 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074768)
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キーワード | 肺癌 / 癌抑制遺伝子 / メチル化 / 早期診断 / EGFR / 突然変異 / ゲフィチニブ |
研究概要 |
【目的】肺癌の固形悪性手術材料や患者血液などの体液を用い肺癌における各種癌抑制遺伝子プロモーター領域の異常メチル化、アセチル化等を検討し、各種臨床因子との関連を調べ、その成果を発癌の機序ならびに早期診断、予後予測に役立てることを目的としている。また、手術不能や再発性非小細胞肺癌の治療薬ゲフィチニブ(イレッサ)(Epidermal Growth Factor Receptor(EGFR)チロシンキナーゼ抑制剤)の薬剤感受性が、人口統計学的因子及び、腫瘍EGFR突然変異と関連を認めている。 【対象】既存のLung cancer cell lines及び、肺癌切除材料、非小細胞癌症例(腺癌51例、扁平上皮癌14例、大細胞癌5例)70例、及び非癌症例30例の血液を用いて検討した。90例の原発性肺腺癌患者の手術検体を用い、シーケンスにより検討した。なお、本研究の実施に関しては、本学の倫理委員会の承認を得ている。 【方法】血液よりDNAを抽出したのち、Real Time Methylation Specific PCR法を用いてAPC、p16、ER、MYOD1、CALCA、MTHFRの各遺伝子についてメチル化の検出、解析を試みた。 【結果】肺癌患者のおけるメチル化の頻度は、組織型・病期・性別は各遣伝子ともメチル化の陽性率に影響を与えないと考えられた。非小細胞癌の血液では、対照群と比較してp16、MYOD1のメチル化の陽性率が、有意に上昇し(P<0.05)、APC、CALCA、MTHFRでは、有意差がなかった。肺腺癌患者における44/90(48.9%)にEGFRの突然変異を認めた。 【結論】血液DNAにおけるメチル化の検出は、肺癌の早期診断の一助となりうる可能性があると考えられる。原発性肺癌において高頻度に、EGFRの突然変異を認めた。
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