研究概要 |
言語課題MEG:視覚誘発装置により2m程はなれたスクリーンに視野角3°ほどのひらがな3文字で構成された単語、または漢字1文字を提示した。患者は提示単語(漢字)が、抽象語、具象語かをクラス分けを行い、その判断により左右のボタンを押し分け、反応速度、正答率をモニターする。文字認知反応は刺激後200から600msecの間に上側頭領域、紡錘回に周辺部に局在されておるため、単一ダイポールモデルにより解析したダイポールの潜時、局在部位について検討している。また、文字認知では複数の活動部位があるため空間フィルター法、電流密度分布法も応用してより信頼性に高い信号源解析する。また、500msec以内に調整された音声単語刺激により、関連する動詞想起を行い前頭葉領域の言語MEGも計測する。この前頭葉のMEG活動は、視覚・聴覚刺刺激認知後に引き続く反応であり、信号同期が悪く、加算平均では現れにくい可能性がある。このため、同時に加算をしないMEG生データも取得し、刺激と信号の周波数成分とその位相変化をwavelet解析を用いて分析する。 機能MRI:言語関連機能MRIは、1検査につき20秒間の刺激期と20秒間の無刺激期を交互に繰返して、約3分間(40スキャン)の全頭を含めた機能MRI画像を取得する。検査課題は1、単語想起、2、具象語/抽象語クラス分け、3,図の名称(naming)課題、4,finger tapping課題の計4種類施行する。単語想起課題ではコンピュータ処理された音声による名詞を聞かせ、それに関連する動詞を想起させる。非課題時に音声刺激を逆再生した音刺激をあたえることにより、一次聴覚野の反応をキャンセルする。具象語/抽象語クラス分け課題も同様に、一次視覚反応をキャンセルするために、非課題時にランダムドットを呈示する。刺激期と非課題時のMRI画像を統計処理(cross-correlation)することにより、有意な信号変化を示した領域を表示する。 Tractography : MRI装置で12-16軸方向から拡散強調磁場パルスを印加することで各ピクセルのテンソル値を算出できる。異方向性の高いピクセルを追跡することで、皮質脊髄路、弓状束等のtractographyが作成される。弓状束は機能MRIの前頭頂活動域、MEGの側頭葉内ダイポールを結んでいる線維連絡に着目する。 以上の異なる機能情報をVOLUME-ONEにより半自動座標変換を行い、合成表示することが可能を可能とした。
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