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2006 年度 実績報告書

ヒト髄膜腫に対するゴナドトロピン放出ホルモン受容体を標的とした治療の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17591507
研究機関金沢医科大学

研究代表者

立花 修  金沢医科大学, 医学部, 助教授 (40211362)

キーワード髄膜腫 / ゴナドトロピン放出ホルモン受容体 / ゴナドトロピン放出ホルモン / プロゲステロン受容体 / エストロゲン受容体 / ホルモン療法
研究概要

髄膜腫82例(髄膜腫細胞型33例、線維芽細胞型7例、移行型33例、砂腫型4例、血管腫型1例、異型3例および退形成型1例)を対象にゴナドトロピン放出ホルモン受容体(GnRH-R)とゴナドトロピン放出ホルモン(GnRE)およびホルモン受容体のPgRおよびERの発現を免疫組織化学的および臨床病理学的に検討した。また髄膜腫におけるGnRHおよびGnRH-Rの機能評価のため、培養細胞を用いた細胞増殖解析を行い、以下の結論を得た。1.髄膜腫におけるmRNAの発現および免疫組織化学的発現は、GnRH-R 100%および95%、GnRH 86%および60%であった。2.GnRH-Rの免疫組織化学的発現とPgR標識指数との間に正の相関関係を認めた。臨床病理学的検討では男性例に有意にGnRHの免疫組織化学的陽性例が多かった。他の臨床病理学的パラメーターとの間には有意差は認めなかった。3.培養細胞6例全例でアゴニストによりコントロールと比較し有意な増殖を認めた。アゴニストとアンタゴニストの同時投与を行った全3例ではほぼ増殖がみられず、アゴニストによる増殖が抑制され、その作用が受容体を介するものであることが確認された。アンタゴニストの単独投与では、GnRHを発現していた1例のみ細胞増殖抑制がみられ、自己分泌機構の存在が示唆された。
以上の結果より、多くの髄膜腫はGnRHRを発現し、GnRHが細胞増殖の制御の一端を担っており、一部にその自己分泌機構が存在することが示唆された。切除不能の髄膜腫に対して、乳癌や子宮癌同様GnRHスーパーアゴニストやアンタゴニストを用いたホルモン療法の可能性が強く示唆された。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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