研究課題/領域番号 |
17591511
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
泉本 修一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40324769)
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研究分担者 |
橋本 直哉 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90315945)
丸野 元彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10263287)
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キーワード | 遺伝子 / 蛋白質 / TAT蛋白 / 血液脳関門 / 悪性グリオーマ |
研究概要 |
本研究ではTATペプチド融合インターフェロンβを開発し、それが血液脳関門を貫通し脳実質内腫瘍細胞に直接到達することにより新規悪性グリオーマの治療法として成立するかどうかを検討する。 本年度はTAT-PTDとヒト型インターフェロンβ(HuIFN-β)の融合タンパクを作成した。 すなわち、TAT-PTDならびにHis-tagがHuIFN-βのC末端に付加されるようにRT-PCRを行い、遺伝子配列が一致していることをシークエンスにより確認、それを大腸菌に形質転換させ遺伝子発現させた。大腸菌の大量培養により発現タンパク質を取得し、それを精製した。精製はNi-NTA AgaroseにHisTagたんぱく質を吸着させた後、8M Ureaによる段階的な溶出を行い精製物を得た。まず、透析により標品中のUreaを段階的に除去することにより目的物の可溶化を行ったが不能であった。 次に、各種界面活性剤を用いた可溶化を行った。13種類の界面活性剤で比べるとSB3-14を持いた可溶化が効率よく、SB3-14を用いた透析による可溶化を試みたがこれも不能であった。最終的にSB3-14を用いたカラム内でのクロマト可溶化試験を行い、カラム内リフォールディング、イミダゾールによる溶出を経てSDS-PAGEの結果より可溶化が確認された。すなわちSB3-14を用いたカラム法でのみTAT-PTDとHuIFN-βの融合タンパク(TAT-HuIFN-β)の可溶化が可能であった。 また、並行した前実験として、TAT-PTDをHAに融合させたものをラット腹腔内投与した後、その脳組織を免疫染色することにより高濃度でTAT-PTD-HA融合タンパクが脳組織内に移行することを検討しTAT-PTDは融合タンパクの脳組織内移行手段として確実に有効であることを検証した。
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