研究分担者 |
吉峰 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00201046)
加藤 天美 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00233776)
依藤 史郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80191675)
数井 裕光 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30346217)
貴島 晴彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10332743)
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研究概要 |
(1)非侵襲的言語機能局在同定法の確立および侵襲的局在同定検査との比較 1)SAM法による言語機能局在評価 言語課題として従来からの単語黙読課題のほか、より検出力を高めるために自発的発語課題を用いて言語機能局在を調べている。また課題による違いを調べた。仮名と漢字課題の比較では、漢字で側頭後頭底面の脱同期が仮名より強いが、検出される部位に明らかな差はなかった(平田他,臨床脳波,2006)。さらに単語に内在する感情的要素による影響を調べたところ、感情語では非感情語に比較して前頭前野、帯状回の反応を認めた。前頭前野の反応は感情語と非感情語で側方性が逆となることが明らかとなった。さらに感情語では中下前頭回の脱同期反応が強くなることが明らかとなった。これらの結果から、感情的要素により新たに感情に関係する領野の反応がでるが、言語機能局在の検出部位自体には差がないと考えられた(Hirata et al, NeuroImage, 2007)。 2)慢性硬膜下電極刺激・術中覚醒下脳皮質刺激との比較 引き続き、てんかん患者や言語領野病変患者に対して硬膜下電極留置を行い、慢性硬膜下電極電気刺激による言語機能局在同定を行い、SAMの結果と比較した。その結果、現在の単語黙読課題は比較的よく言語機能局在を検出でき、硬膜下電極の留意位置の決定に有用であると考えられた。この成果を国際学会のシンポジウムにて発表した(Biomag 2006, ICCN 2006)。 (2)言語機能発現にともなう局所的脳律動変化の時空間解析 脳磁図についてgroup analysisの導入して、健常者における単語黙読時の脳律動変化局在のテンプレートを作製した(発表準備中)。 (3)経頭蓋磁気刺激(TMS)による言語機能検査法の検討 ナビゲーションガイドによる正確な高頻度磁気刺激による言語機能検査法の開発をめざす。現在倫理委員会申請中。 (4)BCIを用いた言語機能再建の試み 動物と道具、動詞と形容詞などカテゴリーの異なる言葉を自発発語させた時の脳律動変化を脳磁図・硬膜下電極にて計測し、カテゴリーの違いによる時空間周波数変化の違いを検討している。さらに弁別のための手法としてSupport vector machineを用いて、言語機能再建の可能性を探っている。
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