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2006 年度 実績報告書

脳低温の中枢神経保護作用に関する研究:グルタミン酸、一酸化窒素そしてアポトーシス

研究課題

研究課題/領域番号 17591515
研究機関山口大学

研究代表者

藤澤 博亮  山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50238565)

研究分担者 鈴木 倫保  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80196873)
前川 剛志  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60034972)
キーワード興奮性アミノ酸 / 神経毒性 / グルタミン酸 / 一酸化窒素 / 微小透析 / ラット / 脳虚血 / 脳血流
研究概要

脳虚血・外傷でみられる神経細胞障害に、興奮性アミノ酸たるグルタミン酸による神経毒性が主要な役割を果たすが、細胞内で進行する種々の病理学的過程には不明の点がある。本研究では、グルタミン酸の中枢神経毒性とその関連物質である一酸化窒素(NO)の脳細胞外液中の動態を検討し、脳血流値の影響を検討した。成長雄ラットを使用。気管内挿管後、全身麻酔下に股動・静脈にカニュレーションの後、両側の頚動脈を露出し、これに糸をループ上にかけた。ラットを動物固定器に固定後、右頭頂部に骨窓を設け、微小透析プローブ、一体型脳内温度測定および水素クリアランス用電極を頭頂葉皮質内に挿入した。頚動脈にかけた糸の牽引により前脳虚血を誘導し、水素クリアランス法により脳血流の低下を確認した。脳血流値は7.6mmHgから65.1mmHgであった。微小透析プローブ中に、リンゲル液を毎分2μlで潅流し20分毎に透析液を閉鎖回路にて採取した。透析液中のNO代謝産物(NO_2,NO_3)濃度を測定すると、脳血流値が60ml/100g/minでNO代謝産物濃度は上昇した。脳血流値が22.7ml/100g/min以上の群では、NO代謝産物濃度は虚血誘導後から徐々に上昇して再灌流時にピークに達したが、22.7ml/100g/min未満の群のNO代謝産物濃度は虚血中は低下し、再灌流時に一過性の上昇をみせた。NO合成阻害剤投与による結果から、NO代謝産物濃度の上昇はNO合成酵素(NOS)に由来し、大半は内皮性NOS(eNOS)由来のものと思われた。虚血中のNO合成は脳血流値に関係し、強度の虚血はNO合成をむしろ阻害するものと考えられた。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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