研究分担者 |
永廣 信治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60145315)
西 京子 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60335817)
板部 洋之 昭和大学, 薬学部, 教授 (30203079)
鈴江 淳彦 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60346608)
|
研究概要 |
我々は脳梗塞による脳損傷の程度とエダラボンの治療効果を判定するために血中バイオマーカーが有用であるかどうかの検討を行った。対象は51例の急性期脳梗塞患者で、これを2群に分類した。GI(24例)は皮質梗塞群、GII群(27例)はそれ以外の基底核や脳幹の梗塞群とした。エダラボンとフラセボはそれぞれGI, GII群にrandomizedに投与した。これらの患者の血中酸化LDL, S-100B, MnSOD値を測定した。その結果、GI群ではエダラボン投与群では非投与群に比較して、発症後3日目の酸化LDL値が有意に低かった(0.177±0.024ng/μg apoB vs. 0.219±0.026,p<0.05)。またGII群ではエダラボン投与前後で酸化LDL値の上昇は認められなかった(0.156±0.013 vs. 0.152±0.020)。GI群ではエダラボン投与群は非投与群に比較して血中S-100B, MnSOD値は有意に低値を示した。これに伴いエダラボン投与群の退院時の神経学的重症度は非投与群より有意に改善された。我々のデータはエダラボンの効果を血中バイオマーカーとしての酸化LDL値で初めて示した。エダラボンは皮質梗塞例で酸化ストレスを軽減させ、脳損傷の程度を減少させた。
|