研究課題
基盤研究(C)
致死的脳虚血に非致死的脳虚血を先行させると、その脳は遅発性神経細胞死から免れる(脳虚血耐性)。これは先行した非致死的脳虚血がストレス蛋白や神経保護的な成長因子を発現するためだと理解されているが、その詳細は不明である。近年、当研究室は、脳の非侵襲的刺激を先行させると、非致死的虚血同様に脳虚血耐性を獲得することを見いだした。すなわち、非虚血性のpreconditioningによる脳虚血耐性獲得の背景を検索することで虚血から「脳を守る」keyを見いだし、さらには脳虚血の治療応用へと発展させようとするものである。このことを裏付ける実験事実として、非侵襲的大脳刺激でastrocyteが活性化され動物の脳内に神経成長因子;Nerve growth factor(NGF),Brain derived neurotrophic factor(BDNF)を含む様々な遺伝子が発現すること(Fujiki and Steward,1997)、なかでもBDNF発現の条件は神経活動性依存性であること、発現は一過性でかつ神経損傷や痙攣発作は伴わないことをも明らかにした。脳虚血・脊髄損傷動物モデルを対象に、脳虚血耐性獲得に最も有効な高頻度磁気刺激のパラメーターと、その背景に発現される遺伝子を検索することにより脳虚血の病態を細胞・分子生物学的手法で解析、発現した遺伝子が損傷神経の修復・再構成に及ぼす影響を実験的に探った。8-9週齢,約65-75gの砂ネズミを使用。神経細胞の活動性亢進のためのconditioningには経頭蓋磁気または電気刺激を用いた。
すべて 2007 その他
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http://www.med.oita-u.ac.jp/neurosurgery/index.html