研究課題
基盤研究(C)
脳神経外科手術中に様々な神経生理学的モニタリング・マッピング法を用いることにより運動機能を温存する試みがなされてきた。とくに我々は、運動皮質を電気刺激することにより脊髄硬膜外腔に留置した電極より導出される運動誘発電位(cortico-spinal D-wave)が、運動機能の状態を監視するのに非常に有用な指標となることを報告してきた。この電位は、我々の研究から一次運動野の刺激によってのみ導出できることが判明している。一方、運動の適切な遂行には一次運動領野のみならず、補足運動野や運動前野などの高次運動野の働きも必要となる。さらに大脳基底核・運動性視床を中心に形成される運動ループが余分な運動を抑制し筋収縮のスケールを調整していると考えられる。これらは不随意運動症の治療のため脳深部に電極を挿入した症例の臨床経過の観察からも推定された。また、手術侵襲による運動機能障害を回避するという立場からは、一次運動野の温存が最も重要と考えられた。補足運動野や運動前野の損傷後によっても適切な運動の遂行が困難となることはあったが、主体は巧緻運動や習熟した運動の障害であり、高度な運動麻痺が出現することは稀であった。我々が今回観察しえた症例では、巧緻運動に関しても日常生活に支障のないところまで回復する症例が多かった。こうした結果から一次運動領野と他の運動関連領野を区別して同定することが必要と考えられた。さらに、後遺障害の回避には上述した運動ループの構成要素を連絡する白質線維の温存も重要であることがわかった。このため単極電極を用いて誘発したD-waveを指標とする皮質下マッピングの方法を我々は考案した。この方法では、皮質脊髄路との刺激部位との距離を推測することが可能であり、機能温存を果たす上での有力はマッピング法になると考えられた。
すべて 2008 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (50件) (うち査読あり 15件) 学会発表 (71件) 図書 (15件)
J Neurosurg 108
ページ: 160-163
臨床脳波 50
ページ: 209-215
ページ: 147-151
Equiibrium Res 67
ページ: 65-71
Neuromodulation 10
ページ: 206-215
J Neurosurg 107
ページ: 977-982
Neurol Med Chir (Tokyo) 47
ページ: 409-414
機能的脳神経外科 46(1)
ページ: 24-25
臨床脳波 49
ページ: 227-231
脳神経外科 35
ページ: 391-399
最新医学特集パーキンソン病-最近の進歩 62
ページ: 1624-1629
人工臓器 36
ページ: 26-29
臨床神経生理学 35
ページ: 162-169
神経内科 67
ページ: 77-82
Stereotact Funct Neurosurg 84
ページ: 176-179
International FES 2006 11
ページ: 69-70
ページ: 180-183
Acta Neurochir Suppl 99
ページ: 25-28
ページ: 21-23
ページ: 33-35
機能的脳神経外科 45(1)
ページ: 10-11
ページ: 22-23
機能的脳神経外科優秀論文号 45(2)
ページ: 133-137
ページ: 123-127
臨床脳波 48
ページ: 52-57
ページ: 120-126
ページ: 185-190
麻酔 55
ページ: 322-329
ページ: 248-253
ページ: 321-325
Pharma Medica 24
ページ: 51-55
脳神経外科ジャーナル 15
ページ: 749-755
Acta Neurochir Suppl 93
ページ: 79-82
J Neurooncol 72
ページ: 57-62
J Neurol 252(Suppl4)
ページ: IV17-IV22
Surg Neurol 64
ページ: 272-275
日本シミュレーション外科学会学会誌 12(4)
ページ: 6-9
機能的脳神経外科 44(1)
ページ: 26-27
ページ: 30-31
Neurological Science 13
ページ: 2-3
臨床脳波 47
ページ: 153-157
Mebio 22
ページ: 76-81
ペインクリニック別冊 26
ページ: 331-337
ページ: 401-408
ページ: 25-30
Evoked Spinal Cord Potential (Eds., K Shimoji and WD Willis Jr),Springer, Tokyo
ページ: 112-118
Evoked Spinal Cord Potential (Eds., K Shimoji and WD Willis Jr), Springer, Tokyo
ページ: 143-149