我々の以前の研究成果から、マイクロマニピュレーターとマイクロシリンジを使用することで、シングルセルインジェクションが可能であることが分かっていたので、今回の実験形では、同様の操作をニワトリ胚に用いることで、外胚葉、特に神経系の発育を調べることを目的とした。初期実験として、ニワトリ胚の想定する部位に薬液がどの程度入るかを調べたところ、ある程度の成功率が得られるようになった。 注入するものとしてはまず、nogginを用いた。当初の予定では、比較的若い胚を用いSox2などの発現を調べる予定であったが、想定した、胚の異常発育がみられなかった。現時点で、その理由は明らかでないが、ニワトリ胚ではマウス胚に比べ、シングルセルインジェクションが困難であり、nogginが細胞外に留まっている可能性が高いと思われた。そこで、当初予定していたより、より大きな(ハンバーガーハミルトンのステージで10から15)胚にnogginを注入してみた。この場合には、前述の想定から、単なるマイクロシリンジによる機械的な注入ではなく、sonoporationのテクニックを併用し、nogginが出来るだけ細胞内に入るようにした。その結果、tail budを中心に発育に異常を認める個体が得られた。外表からは、神経系の発育に問題があるのではないかと想定している。確定のため、現在、in situ hybridizationの手法でSox2の発現を調べている。
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