研究課題
基盤研究(C)
1)MIFを標的とした能動的抗体療法を目指し、MIF cDNAの2nd loop部分にヘルパーTエピトープとしてtetanus toxinを組み込んだものをプラスミドに挿入しMIF-DNAワクチン(MIF-DV)として開発した。コントロールワクチン(CV)としてプラスミド単独を用いた。これらを4週令Balb/Cマウス♀(各群n=5)に遺伝子導入したところ、MIF-DV群では導入後4週より抗MIF抗体価の上昇を明確に認めたが、CV群では抗体価の上昇を認めなかった。これらに抗II型コラーゲン抗体誘発関節炎(CAIA)発症を試みたところ、MIF-DV群では関節炎スコアが自然経過群、CV群に比べ有意に低かった。また関節炎を自然発症するIL-1RAノックアウトマウスでも同様にMIF-DV導入群はCV導入群、自然経過群に比べ関節炎発症率、関節炎スコアが有意に低く、MIF-DV導入が関節炎発症予防に有効であることが判明した。(Arthritis Rheum 2007)2)上記手法を用い、生後3週令BALB/cマウス♀にMIF-DVおよびCVを遺伝子導入し、DV群にて抗MIF抗体価上昇を確認後、生後8週令にて卵巣摘出(OVX)ないしはsham手術を施行し、CV-sham群、CV-OVX群、MIFDV-sham群、MIFDV-OVX群の4群に分け、手術後4週にて屠殺しμCTによる海綿骨量計測および骨形態計測を施行した。CV導入群では正常マウス同様OVXにより海綿骨量低下および破骨細胞面・数の増加を示し高回転型骨粗鬆症の所見を呈したが、MIF-DV導入群では海面骨量低下および破骨細胞面・数増加を生じず骨粗鬆症化が回避された。さらに詳細な検討を要するが、MIF-DV導入は閉経後骨粗鬆症の予防法としての可能性があることが示唆された。(Vaccine投稿中)
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