研究概要 |
方法 細胞培養 前年度報告した骨髄マクロファージの分離,培養法に従い,骨髄マクロファージを分離,培養した. 培養細胞の表現形質 トリプシン-EDTAにて壁吸着性細胞を回収しChamber Slide System(LAB-TEK Brand Products, Nalge Nunc International Corp., Naperville, IL, USA)に再播種,培養した.培盤上清を除去した後,アセトン固定し-80℃にて保存した.免疫細胞学的検索では,0.3%過酸化水素水含有メタノールにて4℃,30分間処理して内因性ペルオキシダーゼ反応をブロックした.標本は室温で正常馬血清(稀釈1:60,Vector Laboratories, Burlingame, CA, USA)で20分間処理後,一次抗体として骨吸収性サイトカインであるinterleukin(IL)-1 beta(Santa Cruz Biotechnology Inc., Santa Cruz, CA, USA),IL-6 (Santa Cruz Biotechnology Inc.),tumor necrosis factor (TNF)-alpha(Santa Cruz Biotechnology Inc.), macrophage-colony stimulating factor(M-CSF, Santa Craz Biotechnology Inc.)と細胞外基質蛋白分解酵素matrix metalloproteinase(MMP)-9(Daiichi fine chemical, Toyama, Japan),cathepsin K(Santa Cruz Biotechnology Inc.)を4℃で12時間反応させた.各一次抗体と交差性のあるビオチン標識された二次抗体を室温で60分間反応させた.Avidin-biotin peroxidasecomplex (Vector Laboratories)に30分間反応させ,3,3-dianiinobenzidine tetrahydrochloride (Wako Junyaku, Osaka, Japan)と過酸化水素でペルオキシダーゼの結合した部位を可視化した.メチルグリーンを使用して核を染色した.各手技間に標本は150mM塩化ナトリウム含有20mMトリス塩酸緩衝液を用いて3回洗浄した.陰性コントロールとして正常ウサギIgG(Jackson Immunoresearch, West Grove, PA, USA)または正常マウスIgG(Sigma Chemical, St. L。uis, MO, USA)を一次抗体と同濃度で用いて一次抗体の特異性を確認した.さらに,チタン顆粒を添加した際の各サイトカイン,細胞外基質蛋白分解酵素の発現を検討した.チタン顆位は135℃,15分間オートクレーブ処理後,DMEMで0.15%(weight%)に濃度調整した.添加直前に30分間超音波破砕処理により均等に顆粒を分散し壁吸着性細胞分画に添加した.貪食した細胞数を計算して%表示とした.平均粒子径5.59μm,比表面積0.72m^2/mlのチタン顆粒を使用した. 結果 培養細胞の表現形質 M-CSFで刺激,誘導された骨髄マクロファージには,骨吸収性サイトカインであるIL-1beta, IL-6,TNF-alpha, M-CSF, MMP-9,cathepsin Kの免疫反応性が認められた.チタン顆粒を貪食しても免疫反応性が確認された.
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