研究概要 |
方法 細胞培養 ; 平成17年度報告した骨髄マクロファージの分離, 培養法に従い骨髄マクロファージを分離, 培養した. 壁吸着細胞の回収, チタン顆粒の添加 ; 平成18年度報告したトリプシン-EDTAを用いて壁吸着細胞を回収しチタン顆粒を添加した. Reverse transcription polymerase chain reaction(RT-PCR)および定量的real-time polymerase chain reaction(PCR) ; 前年度報告したチタン顆粒添加後0.5, 1, 3, 6, 12時間でISOGEN Kitを用いtotal RNAの抽出を行った. RNAを逆転写しcDNAライブラリーを作成した. DGK-ζの特異的プライマーを作製し, Light Cycler^<[○!R]>を使用してPCRを行った. 内部標準としてGlvceraldehvde-3-phosDhate dehyarogenase (GAPDH). 外部標準としてhuman β-actionを使用して標凖化した. 結果 チタン顆粒添加群/コントロール群で検討すると, 骨髄由来培養細胞においてDGK-ζのmRNAはチタン顆粒添加後0.5時間の0.86±0.28倍から経時的に抑制されチタン顆粒添加後12時間で0.42±0.093倍まで低下していた. またこの変化はToll-like receptor (TLR)4, 9の動態と類似の傾向を示した. 考察 オステオライシスにおける脆弱な人工関節周囲の炎症性肉芽組織形成の場面でDGK-ζの抑制に連動したDGの相対的細胞内濃度の上昇が細胞外基質の病的分解を助長し, 人工関節周囲のオステオライシスの病態形成を関係している可能性が示唆された. また, DGK-ζとTLRの細胞レベルでの動態の類似性が示唆された.
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